「好きなことを仕事にする」といったメッセージやサクセスストーリーは、日々たくさんのメディアに掲載されています。
中でも「SNSや、インターネットを駆使して、これまでにない仕事をしよう!好きなことを仕事にしよう!」 … という流れは強く、私も日々そういった記事を読んでは影響を受けていたり……。
でも、もちろん「好きを仕事に」というのは、SNSやインターネットだけの話ではありません。日々Webメディアを見ているとどうしても、視野が偏ってしまいがちなのですが……。
「クリエイティブな仕事に憧れた時期もありました。でも、今は接客が本当に好き!これは自信を持って言えるし、天職だと思います。」
そう語ってくれる彼女の言葉はまぶしくて、こんな風に仕事を語れる女性になりたいと、素直に憧れてしまいました。
それは、株式会社BAKEの店舗サービスチームである澤田 弥佐(さわだ みさ)さん。
新店オープンとなれば、澤田さんは全国各地の現場へ駆けつけます。
ここ半年の出張先は、静岡県、岡山県、大分県……。6店舗が新しくオープンし、澤田さんが入社研修を担当したスタッフは200人にものぼります。
今月2月17日に生どら焼き専門店「DOU」アトレ川崎店がオープンしたのですが、THE BAKE MAGAZINE取材班でも開店当日の様子を追いかけていました。
店頭から聞こえる「生どら焼き専門店、DOUが本日オープンいたしました〜!」という声の正体を辿ると、そこにも彼女の姿が。
列の整理をしながら、お客さまにお声かけし、ご案内する澤田さん。
現場を明るく盛り上げて、日本各地の、多くのスタッフから信頼されている彼女の存在。でも、実はBAKEに転職してまだ6ヶ月目。「天職」と自信を持って言えるまでには、様々な経験があったようで……。
ここからインタビュー形式でお届けします。
DOUのオープニング、お疲れ様でした!お菓子の製造や、接客だけでなく、列の整備も、近隣店舗への配慮もしつつ売上を立てて……、本当に、身体と心をフルに使うお仕事ですよね。テキパキとご案内をする澤田さん、とてもかっこよかったです!
澤田 とんでもないです!体力は年齢的にキツイと思うこともあるけど、接客は楽しいですよ。むしろ、名和さんみたいにTHE BAKE MAGAZINEの更新をしたり、文章が書けるのってすごいなぁと思います。私、編集の仕事に憧れた時期もあったので、なおさら。
わ、ありがとうございます。編集関係のお仕事をされていたのですか?
澤田 いえいえ。夢を諦めきれずに、働きながら短期スクールに通っていました。でも、先生に「全然センスない!」と言われて(笑)。それで諦めがついたというか。
そうだったんですね。当時は、どんなお仕事をされていたのですか?
澤田 新卒では美容部員で、途中で編集者を目指してスクールに通っていたのですが、その時に「編集は向いてない!私には接客だ!」と気づいて、その後アパレル業界に転向しました。
美容部員というと、コスメ売り場でメイクをしてくれる、スタッフさんですよね
澤田 そうです。化粧をして綺麗になって、喜んでいただけるのがとても嬉しくて。
学生の頃、ファッションショーのモデルをする機会があって、キチンとメイクしてもった時に、すごく感動したんです。自分の顔なのに、すごい!って。
そこから、どうしてアパレルに?
澤田 人は顔だけじゃない、着る服だってその人を素敵にするよな…と思って、アパレル業界に飛び込みました。国内でも大手のアパレル企業で、多くのブランド、店舗数を展開していました。店長を経験して、トレーナーにキャリアップしたんです。
トレーナーですか!店舗スタッフさんの指導係、というところでしょうか。
澤田 そうですね。それに加えて、シーズナルのトレンドや接客トレーニング、モチベーションアップと売上を取る全店対抗のコンテストの企画…などなど、11年間いろいろな経験を積みました。
それだけアパレルでのキャリアを積んで、なぜ製菓業界に転職しようと思ったのでしょう。
澤田 BAKEに入るまでは、業界自体に興味を持って仕事を選んでいました。けれど今は、業界へのこだわりより、接客・サービスの仕事が天職だと思っていて。
お客さまと関わる仕事で、自分をもっと極めていくために、そろそろ新しい環境で挑戦しようと考えていました。ちょうどその時、前職でもお世話になっていた方に声をかけてもらい、BAKEに転職を決めたんです。
そうだったんですね。そして実際、BAKEに入社した時の印象は?
澤田 いやぁ、びっくりしましたよ!まだまだ大手に比べると、制度や仕組みが整っていないなかで、キチンと運営されてて驚きました。とはいえ、現場ではどうアルバイトさんを伸ばしてあげたらいいかわからない、とか、昇給制度の基準はどうなっているんだろう、とか様々な声がありました。
私はそんな声を拾って、きちんと職務記述書として整えて、今ちょうど店舗でのトライアルを実施しているところです。
澤田さんからは、本当に接客が好き、というポジティブな気持ちが伝わってきます。
澤田 今こうして、好きなことを仕事にできたことは、本当に幸せだなぁと思います。でも、店舗の子から相談を聞いてると、それぞれ悩みもあるんですよね。そこである時、スタッフの子とインターホンの話をしたんですよ。あ、余談になってしまうのですが……
インターホン?
澤田 バスに乗っていたら、隣に小さな営業車が止まったんです。車体に「インターホンなら〇〇へ!」と書かれていて、後部座席にはインターホンなのか箱がたくさん積んでありました。その時、「この人はインターホンが好きで好きでたまらないのだろうか、それともやむを得ない理由でその仕事をしているか…」と、考えずにはいられませんでした。
前者であってほしいな、と思ってしまいます。
澤田 私も同じ思いです。店舗スタッフさんは数ある仕事の中からBAKEを選んでくれました。だから、辛い思いをしながら働いてほしくないんです。
そうですね。でも、やっぱり、毎日の仕事を「好きだ」と言い続けられる人は少ないと思うのですが…。
澤田 べつに、毎日思わなくってもいいんです。時々、「やっぱり好きだなぁ!」と思える仕事に出会えればいいな、って。店舗研修でたくさんのスタッフさんと接しますが、みんなにとってBAKEが全てではありません。こんなことを言ったら怒られてしまうかもしれませんが、BAKEは通過点だっていい。
学べることを全部吸収して、活躍できる場所で天職を掴んでほしいと願っています。
これから店舗が増えていくなかで、現場と本社の距離ができてしまうのでは、という声をよく聞きます。
澤田 そうですね。でも私たちの事業は、お客さまの存在ありきのお商売だから、根底はつながっていると思います。日々オフィスで「原価が、効率が、スピードアップが…」と議論がくり広げられるなか、その全てが「お客さま」を主語に考えられているのかな?と自分自身、常に問い続けたいです。
現場でも、本社でも、同じように「お客さま」を主語に考えていけば、店舗やブランドが増えても、距離感や温度感はしっかり同期していけるのかな、と。
先日、全社会議でもBAKEの行動指針の大前提として「お客さまのことを考える(Think Customer)」が重要だ、という話がありましたね。
今日は店舗のこと、お仕事のこと、勉強になりました。
澤田 これからもどんどん、いやもっと、お店に来てほしいです!どの店舗も本当に素敵ですし、でも、もっとよくしていくために私がいるので、そこは頑張っていきたいですね。
はい、また各地の店舗も、取材させてください!店舗での研修にもはやくいきたいです。澤田さんのお話を聞いて実際にお客さまと接することは、BAKEの起点なのだと、改めて考えさせられました。
(編集後記) 澤田さんは店舗と本社、両方の状況を知る、いわば橋渡し的な存在だと思っていました。けれど、本当に店舗と本社を繋ぐのはお客さまなんですよね。
そしてDOUアトレ川崎店で、列に並んで買った生どら焼きは、ひとくちひとくち大事に食べました。その生どら焼きは、いっそうおいしく感じられたのはもちろんですが「好きなことを仕事してる」とういう誇りを思い出させてくれました。
文・写真:名和実咲(@miiko_nnn) 編集:塩谷舞(@ciotan)
※以下の説明会は開催終了いたしました。
レポートを公開していおりますので、ぜひご覧ください!
→スマイルズ✕BAKEの”一度で二度おいしい”採用イベントをレポート
「Soup Stock Tokyo」や「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」を手がけるSmiles:とBAKEのコラボ開催が決定いたしました。
【概要】 ■日時:2018年3月8日(木) 16:00~18:30 ■会場:株式会社スマイルズ 中目黒本社 目黒区中目黒1-10-23 3F ■費用:無料(主催各社ブランドによる軽食つき) ■定員:20名(申し込み多数の場合は抽選) ■お申込み:http://goo.gl/UCXaMhより受付 【こんなヒトにおすすめ】 ・胸を張って薦められる、こだわりのある商品を手掛ける会社で働きたいヒト ・接客が好きで、人に喜んでもらうこと、会話することが好きなヒト ・コンセプトのあるお店やブランドを作っていきたいヒト
・生どら焼き専門店「DOU」3店舗目が初の神奈川・アトレ川崎にオープン。 ・優秀な人財が、大きな企業の中でもつぶされず、その人らしく輝くためには? ・日本イノベーター大賞、2017年は「スタートアップ一色」。受賞した5人のイノベーターとは?