わたしは普段、食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」をはじめ、セレクトリサイクルショップの「PASS THE BATON」など《生活価値の拡充》を理念に掲げる株式会社スマイルズの採用を担当しています。
転職・就職活動でも、業界ごとに複数の企業を一度に見られる「合同説明会」というイベントがあります。仕事内容を自分で確かめる手段として効率的ではありますが、必ずしも「業界」や「業種」だけが会社選びの軸ではない、という方も増えているのではないでしょうか。
「せっかくなら、胸を張って薦められる商品を手掛ける会社で働きたい」 「人と接することが好きで、目の前の人に喜んでもらうことが好き」
そんな《想い》に共感できる、業種・業態をこえた会社と出会う場になれば、と考え企画しました。業界・業種ではなく、商品への向き合い方/働く人への考え方/ビジネスの作り方など、会社の《らしさ》で共鳴しあえる会社をパートナーとして迎え、共同で説明会を実施することにしました。 今回のパートナーは、BAKE CHEESE TARTなど1ブランド1商品を展開するBAKE Inc.(以下BAKE)さんです。
手掛ける商品はお菓子ですが、素材選び、店舗での製造、デザイン、ほぼすべて直営で展開する店舗運営や接客など、お客さまに届けるまでのこだわりには、スマイルズと共通する部分がたくさんあります。 そんな両社だからこそ実現した新しい会社説明会。しかも、両社の話を一度に聞けるという「おいしさ」と、2社が持ち寄る自慢のお菓子&海苔弁巻き付き、というリアルな「おいしさ」。まさに一度で二度おいしい、会社説明会です!
イベントレポートのテーマはこちら。 ・HPや店頭では伝えきれない、商品へのこだわり ・交流会にて2社の商品を実食 ・編集後記:店舗スタッフの仕事について
今回の説明会では「おいしい」をテーマに、各社の会社概要にとどまらず、「食のこだわり」について深堀してご紹介しました。わたしたちスマイルズからは、昨年立ち上げたばかりの新規事業、海苔弁専門店「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」について。
忙しい日々の中で、ホッと懐かしい感情を思い出していただけるようなものを提供したい。そんな思いを起点に、社内でも熱が高まっていた「お弁当」に焦点があてられました。なかでも「海苔弁」にはポテンシャルが秘められているのではないか、ジャンキーな弁当の代名詞であった海苔弁を、弁当界の主役に。そんな野望の詰まった海苔弁です。
「冷たいけど温かい」忘れ去られた作り手の温もり、そして想い。 「家庭料理の最上級」を目指し、一つ一つ丁寧に店舗で調理し、お届けしています。
そんな海苔弁を支える「お米」が作られるのは秋田県北秋田市にあるこちらの田んぼ。 一番の特徴はコメ作りの要である「水」。冷たくて栄養たっぷりの雪解け水が注ぎ込むから、美味しいお米が育ちます。会社の研修で毎年訪れ、一緒に田植えをしたり稲刈りをしたり、互いの顔の見える産地です。
そして、海苔弁の主役である海苔は、佐賀県・福岡県の有明海苔です。しかも葉が柔らかい一番摘みで、かつ有明海で生産された上位1パーセントの海苔。さらに青のりが付着した「青まぜ」を使用しています。 香りの豊かさ、柔らかさ、風味の良さと三拍子そろった海苔に、自家製割りじょうゆをたっぷりと塗ると、海や磯の香りがふわっと立ち昇ります。 素材が高級であればいい、というものではありません。私たちの思い描く、《冷たいけれど、温かい》お弁当に必要なのは、どんな海苔なのか。それをとことん追求して、出会った素材です。
お米と海苔とともに、盛られる「おかず」にもこだわりが。
玉子焼きは真っ黄色のキレイな形に仕上げるのではなく、あえて焼き目をいれています。断面を見ると、白身が見えるというのもポイントです。ちくわの磯辺揚げ、様々なちくわの中から食べ比べ、冷めてもおいしい!と自信をもって言えるものを選びました。
《冷たいけれど、温かい》というコンセプトに照らし合わせ、食材選びから調理方法まで、「家庭のぬくもりや懐かしさを感じてもらえるだろうか?」を基準に皆で話しながら進めています。たくさんのこだわりの詰まった、新しい海苔弁です。
BAKE Inc.さんからは、シュークリーム専⾨店「クロッカンシュー ザクザク」と、焼きたてカスタードアップルパイ専⾨店「RINGO」について。
ザクザクのシュークリームに使っている牛乳は、北海道の豊かな自然の中で育った牛たちの恵み。牛舎から出ることなく一生を終える牛と比べ、牧場をのびのびと駆け回っている牛はストレスも少なそうですよね。実際、香りも違うのだとか。2017新卒社員の研修では、実際に畜産農家さんの仕事の様子を見学にも行ったりと、産地との関係性も大切にしているそうです。
もう1つ、RINGOのアップルパイに使用している「葉とらず(はとらず)リンゴ」について。
スーパーに並ぶのは真っ赤なリンゴが多いのですが、それらは周りの葉を摘むことでつくられています。一方、自然の葉がついたままのリンゴは「葉とらずリンゴ」と呼ばれ、その名の通り、葉をあえて摘まないようにしています。色味はまだらになるものの、葉を通して自然の恵みを受けることができ、糖度が高くなり、より甘いリンゴにるそう。
実は葉っぱもリンゴづくりに重要な役割を担っていたなんて、知りませんでした!
会場後方には、アップルパイのこだわりをぎゅぎゅっと詰め込んだタブロイド紙と、「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」に込めた想いをつづった遠山の手記が掲載された、味の手帖もご用意。 当日ご参加いただいた皆様にご覧いただきました。
説明会のあとは、お待ちかねの交流会。スマイルズの社内開発や懇親会に使われる「キッチン」に会場を移します! BAKE Inc.さんからは、「BAKE CHEESE TART」、「プレスバターサンド」、生どら焼き「DOU」の3種のお菓子。
「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」からは、新商品の「海苔弁巻き」と、築地店限定のかつおだしたっぷり「出汁香るおこげのおつゆ」を。
春らしい商品がそろったことから、わたしたちも一足早いお花見の気分でセッティングします。
抹茶といちごも加わった生どらやき「DOU」と、持ち運びにぴったりな「海苔弁巻き」、これはお花見本番に買いたくなる組み合わせでした…!
限られた時間ではありましたが、実際に説明を聞いて、商品をその場で食べながら話をすることで、言葉では伝えきれないおいしさを体験して頂けたのではと思います。やっぱり「おいしい」は人を繋ぐ!改めてそんなことを実感した、時間でした。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
登壇企業情報:株式会社スマイルズについて
食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」をはじめ、セレクトリサイクルショップの「PASS THE BATON」とその飲食スペース「たすき」、ネクタイ専門店「giraffe」、ファミリーレストラン「100本のスプーン」、LOVEとARTがテーマのレストラン「PAVILION」、海苔弁専門店「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」、泊まれるアート作品「檸檬ホテル」などを手掛ける。《生活価値の拡充》を理念に、身近な日常にあるものから題材を見つけ、新しい価値を加えることで、”世の中の体温をあげたい”と考えている。昨年立ち上げたばかりの新規事業、「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」では、事業拡大に伴い新たな仲間を募集中。採用ページはこちら。公式サイト:http://www.smiles.co.jp/
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ここからはTHE BAKE MAGAZINE編集部・名和です。今回説明会イベントのメインテーマである店舗スタッフの仕事について、元々Soup Stock Tokyoの店舗で働かれていた松島さんの言葉が強く印象に残っています。編集後記として、ご紹介させてください。
私たちの扱う商品は、商品を考案した人、原材料や素材の生産者、工場の人、デザイナー、店舗設計の人、たくさんの人の手を経て、それぞれの絶えぬ情熱があって、今日もお客さまに届ける商品が完成します。そんな商品をお客さまにお届けする、情熱のリレーのアンカーが店舗スタッフの仕事です。
「お金をもらって商品を渡す」という部分だけ見ると、例えば1000人ご来店されたとして、目の前のお客さまは1/1000かもしれません。けれどお客さまにとって、店舗での体験は1/1なのです。
私自身、全てのプロセスに直接関わっていなくても、自分が扱う商品は情熱ある仕事のリレーでできたものだ、ということをいつも心に留めていました。実際にお店に立つと、お客さまに対する表情や言葉の温度感や、商品をあつかう所作を通して、商品に関わる色んな人の想いを届けられたと実感できるんです。
店舗のお仕事に申し込んでくださった方には「どうしてここですか?」を必ず問いかけます。模範解答ではなく、ご自身の言葉で、これまでの経験や思いを語っていただけると嬉しいですね。
実際に店舗で働かれていたからこそ、店舗での仕事の重みが伝わるメッセージに、多くの学びがありました。商品とは少し距離があるかもしれませんが、THE BAKE MAGAZINEが受け取ったバトンは、これから店舗で働く未来のスタッフに繋いでいけたらと思います。
執筆:松島さおり 企画:松島さおり・蓑毛萌奈美(株式会社スマイルズ)、金子未和・清家恭子(株式会社BAKE) 写真・編集:名和 実咲(@miiko_nnn)
スマイルズのデザイナーと登壇したイベントレポート記事はこちら↓
・5社が語る、食×デザインがもたらす顧客体験の未来〜WEB・アプリ編〜
・ブランドをつくる「食とデザイン」とは。Oisix&Soup Stock Tokyo&BAKE、3名のデザイナーの視点
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・クリエイティブ職より、接客を選んだ。私が「今が天職!」と言えるまで。
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