2022.03.08

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八百万の喜びを届けたい。新ブランド「八 by PRESS BUTTER SAND」が目指す新しいお菓子とは

八百万の喜びを届けたい。新ブランド「八 by PRESS BUTTER SAND」が目指す新しいお菓子とは

2022.03.08

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BAKE INC.の新ブランド「八 by PRESS BUTTER SANDの1号店が、明日3月9日(水)大丸東京店地下1階にオープンします。

“しなやかに、型破る。和ごころを、末広げる。”というブランドタグラインを掲げる「八 by PRESS BUTTER SAND」。
今回のTHE BAKE MAGAZINEでは、そこに込められた意図や想いについて、新ブランド立ち上げに携わったマーケティング担当の川久保とクリエイティブ担当の井手口に聞きました。

構想から1年半、満を持してローンチする新たな“和”のカタチ

「八 by PRESS BUTTER SAND」を立ち上げたきっかけを教えてください。

川久保:最初は、PRESS BUTTER SANDの新商品として和のフレーバーのバターサンドを作りたい、という企画だったんです。PRESS BUTTER SANDのクッキーには、「はさみ焼き」という和菓子の製法が使われていることもあり、もともと和の要素を持っていました。

企画を検討していくうちに、和でも洋でもない、型にとらわれない新しいお菓子をPRESS BUTTER SANDファンのお客さまに食べていただきたいという想いが膨らんでいき、それなら新しいブランドを立ち上げよう!ということになりました。

井手口:2020年の秋頃から始まった企画なので、1年半。BAKE INC.の中で最もローンチに時間をかけたブランドかもしれません。
商品やパッケージなどの準備を進めながら、同時にコンセプトを固めていったのですが、行き詰まってしまって。結局、スタートから半年後に一度全て白紙に戻したんです(苦笑)ゼロからコンセプトを考え直し、軸を決めて。昨年の夏に「八」というブランド名に決まり、一気に準備を進めてきました。

クリエイティブ部 Xクリエイティブチーム マネージャー/井手口 直也

なぜ「八」というブランド名にしたのですか?

井手口:日本では古くから「八」は末広がりで縁起の良い数字とされ、八百万(やおよろず)というように“数が多い”という意味があります。「八角形」も尊い形として、神様にお供え物をする敷物に使われたり、茶道の菓子器や菓子盆に使われたりしてきました。

和のバターサンドを八角形にしようと決めていたことや、季節にフォーカスしたいと考えていた中で、二十四節気の八節にちなみ「八」というブランド名に決めました。「八」というブランドを通して、八百万=数多くの喜びや楽しさを提供していきたいという想いがありますね。

実はブランド名が決まるまで、「暦」とか「景色」とか、100案くらい出して検討したんですよ(笑)

100案とは!メンバーみんなの意気込みが感じられますね!“和でも洋でもない、型にとらわれない新しいお菓子”とは、どんなお菓子なのでしょう?

PBS・SOLES事業部 第1マーケティングチーム マネージャー/川久保 真衣

川久保:一言でいうと和洋折衷。和の洋菓子であり、洋の和菓子ですね。世の中には、すでに伝統ある和菓子ブランドがたくさんあります。私たちが今から老舗ブランドをつくるのは難しいですし、私たちには私たち独自の良さがあると思うんです。

by PRESS BUTTER SANDという名前のとおり、これまで洋菓子ブランドとして培ってきた製法や魅せ方を活かしつつ、和の素材や季節感などを取り入れながら、新しい“和”、新しい美味しさを創り出したいと思っています。

バタークリームに、和の素材、旬の果実が織り成す新食感

「八 by PRESS BUTTER SAND」から発売されるお菓子の特長を教えてください。

八 by PRESS BUTTER SANDの「和バターサンド〈きな粉あずき〉」

川久保:メインプロダクトは「和バターサンド〈きな粉あずき〉」です。
PRESS BUTTER SANDで提供しているバターサンドのクッキー生地と比べると、国産のきな粉や米粉を練り込んでいるので、ほろっとほどけていくような食感です。黒豆きな粉と深く焙煎した黒須きな粉の2種類を使うことで香ばしさが増し、個包装を開けた瞬間からきな粉の香りが楽しめます。

中には、バターサンドで使用しているなめらかなバタークリームに、北海道産の大納言あずきを使った甘納豆を混ぜた、あずきバタークリームを挟んでいます。甘すぎず、あずきのモソモソした感じがないので、餡子が苦手な方でも食べやすいかなと思います。

ブランド名にもあるとおり八角形なんですよね。

川久保:そうなんです。実は、八角形にするのが大変で(苦笑)はさみ焼用の鉄板ごと変えなければならないので、型を調整していったのですが、生地が端まで上手くのびずガタガタになってしまって。結局、正方形のバターサンドよりも2ミリ厚くすることで上手く焼けるようになりました。

ミリ単位で調整したんですね。

川久保:はい。商品開発チームのメンバーのこだわりに感謝です。

八 by PRESS BUTTER SANDのバターどら焼き「おりどら」

川久保:バターどら焼き「おりどら」は、名前のとおり生地を二つ折りにしてワンハンドで食べやすいのが特徴です。生地がもっちり、ふわっふわなんですよ!中には、あずきバタークリームがたっぷり入っているんですが、重すぎず大きすぎず、ちょうどいいんです。

たしかに、一般的などら焼きも美味しくて好きですが、お腹いっぱいになっちゃうんですよね。ちなみに、BAKEでは以前にもどら焼きを出していたことが。。。

川久保:2017年から2019年に「DOU」というブランドで生どら焼きを提供していました。実は私、DOUの池袋店で販売を担当していたんです。美味しくて好きなブランドだったんですが、要冷蔵で賞味期限がかなり短かったりと課題も多々ありました。

今回は、色んな教訓を活かしつつ、常温で美味しく召し上がっていただけて、手土産や贈り物にも使っていただけるようにしました。

八 by PRESS BUTTER SANDのバター大福「ばたふく」

川久保:初の生菓子として、バター大福「ばたふく」も提供します。こちらも常温で大丈夫です。外の羽二重餅はきめ細やかでふんわりしっとりしていて、食べると、中のあんこに包まれたバタークリームが体温で溶けだしてくるんです。

四季折々の味わいを楽しんでいただけるように、旬の果実をのせた商品も提供します。3月から5月にかけては「ばたふく〈苺〉」を販売する予定です。

by PRESS BUTTER SANDというだけあって、どの商品にもバタークリームが使われているんですね。こだわりの和素材や旬の果実との組み合わせも楽しみです。

新進気鋭の写真家と創り出した、日本的な“ゆらぎ”の世界

「八 by PRESS BUTTER SAND」のデザインコンセプトを教えてください。

井手口:一言でいうと「ゆらぎ」です。和と洋が交わっている感覚や、西洋的なハッキリした感じとは対照的な日本的な繊細さを表現したかったんです。

実は、今回のデザインはすごく悩んだんです。和菓子って日本の文化だし、自分の国の文化だからこそ、思い入れがすごく強くなって難しいですよね。しかも、伝統ある老舗の和菓子屋さんがたくさんある中で、取ってつけたように和菓子っぽくしても本質的じゃないですし、何だか失礼というか(苦笑)

「和」って何なのか。人によって抱くイメージが少しずつ違う中で、みんなが好きな和菓子の最大公約数はどんな感じなんだろう、と表現に悩みました。江戸時代、室町時代、いろんな本を読んで考えを巡らせていくうちに、もっとずっと昔。仏教が入ってくる前の、自然に対して人々が尊敬の念を抱いていた時代に辿り着いたんです。

なるほど。それで、山や森や、大自然をベースにしたわけですね。

井手口:はい。北海道産のあずきを原材料に使っていることもあり、北海道にある大雪山の麓で撮影をしました。パッケージやブランドサイトなどで使用している印象派の絵画のような画像、実は写真なんですよ。写真家の金本凜太朗さんに撮影いただいた写真で、車で走りながら流し撮りをしています。細かい調整はしているものの、特殊な加工はしていません。

金本さんのことは、3年ほど前から面白い表現をされるなぁと思ってInstagramでフォローしていて、いつか一緒に仕事ができたらいいな、とずっと注目し続けていたんです。20代前半の若手カメラマンさんなんですが、今回の「ゆらぎ」を表現するには彼しかいない!と思ってオファーしました。

3年温めてきたデザインの種が、ようやく花開いたんですね!パッケージの形もユニークです。

井手口:パッケージの箱は、風呂敷から着想を得て奴式にしました。日本的な贈る文化を包む感じで表現しています。「和バターサンド〈きな粉あずき〉」や「おりどら」の個包装でも「ゆらぎ」をグラデーションを使って表現しています。

和紙の感じを残しつつ、微妙な色のグラデーションを印刷で出すのが難しくて、何度も色校正をして調整したんです。色が濃すぎても、中の商品が見えないし、ニュアンスを上手く表現するのに結構時間がかかりましたね。

ロゴマークやブランドカラーにも自然を感じます。

井手口:ロゴマークは「八」という文字を象形的に捉えつつ、大自然の山々のイメージや末広がりな感じを表現しています。文字の成り立ちに関する文献を調べたりしながら、ただ古いだけではない新しさを追い求めてみました。

ブランドカラーも、山々の緑や木々の葉に日の光が当たった黄緑をイメージしつつ、草木染の自然な緑や茶色、黄色など昔からある色をイメージしながら、深い緑色と明るい黄緑を選びました。

八 by PRESS BUTTER SANDのロゴマーク

お話していて、お2人それぞれの「八 by PRESS BUTTER SAND」にかける想いが伝わってきました。これから、どんなブランドにしていきたいですか?

川久保:普段あまり和菓子を食べない、格式のある伝統的な和菓子にはまだ抵抗のある若い世代の方々に、食べてみていただきたいですね。逆に、和菓子がお好きな大人世代の方々には、普段とは違う新しい味わいを試していただきたいです。

堅苦しく食べるというよりも、日常でお茶と一緒にカジュアルに楽しんでいただきたいですね。そうして、気に入っていただけた先に、手土産や贈り物として大切な人にお渡しするギフトとして選ばれるブランドになればと思っています。

「八 by PRESS BUTTER SAND」を通して、季節の移ろいを感じていただきながら、たくさんの喜びや楽しさをお届けしていきたいですね!

 

文/真鍋 順子

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八・詰合せ

八 by PRESS BUTTER SAND

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「焼きたて和バターサンド〈きな粉あずき〉」は1個/ ¥297(税込)、「和バターサンド〈きな粉あずき〉」は4個入/¥1,188(税込)から、「おりどら」「ばたふく」は1個/¥270(税込)からお買い求めいただけます。期間限定の「ばたふく〈苺〉」は1個/¥351(税込)です。詰め合わせセットもご用意しています。詳しい商品ラインナップや店舗情報は、公式ブランドサイトにてご覧いただけます。

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