こんにちは!THE BAKE MAGAZINE編集長の塩谷(@ciotan)です。 今日の記事は「号外」です。というのも、8月の上旬、お菓子屋さんのスタートアップ・BAKE社長の真太郎さんがこんな相談を……
「塩谷さん、今度ばっかりは本当に大変なことが起こったので、海外に飛んでください!取材で!」
「えっ!これまで何度もそんな話はあったけど、毎回呪われたように事件が起こって海外取材はポシャってきましたよね!これはデジャブ!そしてダウト!」
「大丈夫、今回は呪われてないから!!来週、行ってきてください!」
「本当に本当の海外取材……!!!!!!!!??? ヤッター!行ってきます!!!」 しかし、私はその後待ち受ける恐ろしい事件を、このときまだ知る由もなかった……。
……ということで、2016年8月11日。私はTHE BAKE MAGAZINE始まって以来最高の重大任務を背負い、成田国際空港第1ターミナルにやってきました。 お盆休み真っ最中のため、周囲は観光客一色ですが、こちとら重大任務。浮かれてはいけない。 浮かれませんよ。 私が手にしている赤い袋の中には、BAKEの兄弟会社である「きのとや」のクッキー・札幌農学校。美味しい北海道の味。これを「個人輸入か」と勘違いされるほど爆買いし、いざ飛行機へ。 そして…… 飛行機は南へ、南へと向かい…… ・ ・ ・ ・ ・ タイ・バンコクに到着!!コップンカー! バンコクのスワンナプーム国際空港には、あちこちに、水色の飾りが!ゴージャス!! その中で微笑む女性は、タイの王女さま、シリキット王妃殿下。
8月12日は、シリキット王妃殿下のお誕生日。今年で84歳をお迎えになられるのですが、タイではその日を毎年「母の日」としてお祝いしています。 タイの国民にとってこの日は、シリキット王妃殿下をお祝いし、そして自分のお母さんにも感謝の思いを伝える、欠かすことのできない大切な祝日なんだそうです。 ちなみに、シリキット王妃がお生まれになったのが金曜日で、タイでは金曜日のカラーが「水色」。だから毎年この日は国中が水色に染まるのだそうです。ということで私も水色Tシャツに着替えみたのです、が! どうして我々、BAKEという日本のお菓子屋さんが、タイのシリキット王妃殿下のお祝いの日に取材に駆けつけたのか? その真相はこちら。笑えるくらい読めないと思うので、簡潔にまとめます。
ということなんです。 タイ航空というのは、タイの国内線シェア9割を超えるタイ最大の航空会社。その国内線全便で提供されるBAKE CHEESE TARTの総数はなんと、1万個! ちなみにBAKE CHEESE TARTのタイ・バンコク1号店がオープンしたのが昨年11月のことなのですが…… 多くのメディアやセレブリティに話題にしていただき、実際に王室のお姫様が「BAKE CHEESE TARTを食べたい!」と熱望され、王室にもBAKE CHEESE TARTが運ばれたのだとか。 北海道で生まれ、東京で広まった我らがチーズタルト、いつのまにかタイ王室御用達スイーツになっていた訳です。
←BAKE CHEESE TART生みの親、BAKE代表の真太郎さん(30歳) 真太郎さんのとある失敗から誕生したチーズタルトが、異国の地で国民的スイーツ、いや、王室御用達スイーツに……。 確かにこれは、事件です。
さっき乗った飛行機はもちろん成田空港からの国際線だったので、次は「バンコクからプーケット」に向かう国内線に乗りましょう。東京から香川、くらいの距離感です。 ここで、BAKEタイランドのみなさまと合流!!! 簡単に登場人物説明をすると…中央のBAKE・Tシャツを着ている男性が、ヌタワットさん。BAKEタイランドの出資者です。お隣は奥様であるサンドゥアン・エゥバムルンさん、そして左端がお嬢様。そして、右端にいるスカートの女性がケイトさん。BAKEタイランドの実行責任者的な立場。お隣はケイトさんのフィアンセ、そのお隣はタイ語がペラペラでタイと日本の貿易に携わるフルヤさん……という感じ。 そして、緑の服を着ているのは、タイ航空の代表取締役である、ジャランポーン・チョーティガサティアンさん。 にこやかに写っておられますが、マサチューセッチュ工科大学で学士号を、ハーバード大学で修士号を取得し、タイ証券取引所の社長兼CEOを務めておられたという、世界屈指レベルの超人でいらっしゃいます。 そんな社長さんがわざわざ、BAKEチームと同じ飛行機に乗られるという状況からも、いかにタイでBAKEが重要視されているブランドか、ということがひしひしと伝わります。 しかし、我々はその後待ち受ける恐ろしい事件を、このときまだ知る由もなかった……。 (チェックインまでの間、タイの出資者・ヌタワットさんの娘さんであるピンちゃん19歳とポケモンGOではしゃぐ私、27歳) (ポケモンは世界共通ですね。タイ人はあまり英語を話さないのですが、ピンちゃんは16歳からUCLAに留学しているインテリ女子で夏休みにより帰国中。なので、英語がペラペラです)
いざ、飛行機に乗ると、当たり前のようにビジネスクラスに通されました。 一人あたりの面積が………広い…… ちょっと、周り、貴族の方しかいないんじゃないですかね…… 人生初めてのビジネスクラスに戸惑い、壊れた機械のように、コップンカー、コップンカー、コップンカー……(=ありがとうありがとうありがとう)と繰り返していました。 そして「翼の王国」のような高級感ただよう機内誌をめくってみると、そこにもガッツリとBAKE CHEESE TARTが!!! 英語とタイ語で「日本の北海道から、王妃のお誕生日をお祝いして、最高のチーズタルトをご用意します」みたいなことが書いてあります。 from Hokkaido , Japan !!!!!!!!!! あ、これ、記事広告じゃないですからね。光栄なことです……。 そしていよいよ………… 「日本、北海道からのスペシャルなチーズタルトを準備しました」という、英語とタイ語の機内アナウンスがかかり…… タルトが…… 北海道生まれのBAKE CHEESE TARTが……! タイの空という空の上で……… 様々な人たちに、しあわせを・・・・・・・・・ 「やっぱりBAKEは美味しいなぁ、世界で一番美味しいなぁ……………!!!」 タルトが、お空の上に、幸せを運んでくれたのでした。。。 BAKE海外事業部長の印牧さんと、タイ航空のチャラムポン・チョーティカサティアン社長、そしてBAKEタイランドの出資者・ヌタワットさん。 北海道からやって来た日本のチーズタルトが、タイの王妃をお祝いする「国民的スイーツ」として受け入れられた、記念すべき瞬間です。印牧さん、なんていい笑顔!!そりゃあもう嬉しいでしょう・・・! BAKE CHEESE TART、大出世です!!!
この豪華な盛り付けは、ファーストクラスの方々が食事するための空港ラウンジ。 通常、ファーストクラスのラウンジの食事は食べ残されてしまうことが多いそうなのですが、この日、BAKE CHEESE TARTは綺麗さっぱりなくなっちゃったそうです。 みなさま「これ、美味しい!」「どこのお菓子?!」と口々に話題にしてくださっていたようで、タイ航空の方々も本当に嬉しそうでした。。。 「BAKE作戦、大成功っ!」 そして、飛行機内ではやたらと2ショット写真を求められる、BAKE海外事業部長の印牧さん。どうやら「本国のエラい人」ということで、VIP待遇を受けているようです。
「あら、印牧さんったら、まるでアイドルのごとし!」
「塩谷さん、誤解のないように言っておくと、海外事業部はいつもこんな楽しいことばっかりしてるわけじゃないんですよ!」
「はいはい、ちゃんとそう書いておきまーす」 カメラマンの野崎さん、わたし、印牧さん。いやぁ、日本生まれのBAKEのチーズタルトが、こうして、異国のお空の上で様々な方に喜んでいただけるなんて!!本当に嬉しい時間でした。本当に! …という感じで、タイ航空の機内でのBAKE CHEESE TARTは大人気!大成功!これでほとんど仕事終わったも同然だ〜〜〜! 飛行機を降りたところで、「お菓子おいしかったね〜〜」と話している日本人女性グループを発見! 話を聞いてみたところ、みなさん岡山県から旅行に来られていたのですか、BAKEのことは知らなかったそう。日本のスイーツだと知ってびっくりされていました。タイでは一躍有名になったBAKEですが、日本国内でのPRも、ままだまだ頑張らねば! そして到着した先は、プーケット。 ホストであるBAKEタイランドのヌタワットさんやケイトさんたちが、日本からやって来た私たちに、タイ屈指のリゾート地であるプーケットで1日だけでもバカンスを楽しんで欲しいと、あえてプーケット行きの飛行機を手配してくださっていたのです!
まさかのリゾートに、高まるテンション……!!
しかし。 飛行機を降りて、iPhoneの電波を入れたヌタワットさんたち、一気に表情が凍りつきます……。
「なんてこった……すぐそこの、プーケットのビーチで爆弾テロが起こってしまった…」 そう。日本でも大きくニュースになっていたのでご存知の方も多いかもしれませんが、2016年8月12日、タイ国内、各地のリゾート地が同時多発爆弾テロに襲われたのです。 その爆発が起きた箇所こそ、私たちが予約していたホテルの真ん前でした……。
「本当は今日、君たちをプーケットで一番のビーチに案内したかったんだ…せっかくのタイのバカンスなのに、あぁ、なんと申し訳ないことに……」
「いやいや、これはタイミングが悪かったとしか言えません……あ、少々お待ちを。真太郎さんから電話が」 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯
(((印牧さん、ニュース見ました…大丈夫でしょうか? 戻りますか? )))
(((こちらは無事です。ですが、夏休み中で混雑していて、帰りの航空券が取れません。おとなしくプーケットで1日過ごして、予定通り帰るのが一番でしょう)))
(((その通りですね。ですが、くれぐれも危険な場所には近づかないように!3人が無事に帰国することを祈っています!))) ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯
「さあ、ホテルはキャンセルして、安全に過ごせる場所に行きましょう!」 ヌタワットさん曰く、タイでこうした爆弾事件があるのは珍しいことだそう。異国の地で、滅多とない爆弾テロ……本当にびっくりおっかなかったのですが、ヌタワットさんについていきます。今回は呪われてないはずだったのに……(涙)。 車を走らせて走らせて、いくつものビーチを通り過ぎ、山を越えて…………… 着いたところがですね……。 ちょっと、覚悟してもらっていいですかね…… ・ ・ ・ ・ ・ ・ エントランスが リビングが ろ、廊下?が お姫様の部屋・・・???? お、王室・・・・・? そしてこのカーテンの先には ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ いやもうこれwwwwなんだここwwwwwwwwww ほんとなんだここはwwwwwwww プライベートラグジュアリーリゾートホテルですか・・・・・・・・?? 誰もいないんだけど、一泊いくらするのここ・・・・・・・・・・?!?!?! わたし、日本円、5万円しか換金してないよ?!?!?!?!
「我が別荘へ、ようこそ!」
「ファッ?!?!?!?!?!?!(宿泊無料?!)」
「え、どうしよう・・・え、本当にどうしよう・・・・・」
「(奥さん、ごめん、なんかすごいところ来ちゃった…)」 3年前に建てられたという、ヌタワットさんの経営する会社の別荘でした。もしくは天国かもしれないと思った。 そして別荘に到着するや否や、ヌタワットさんのお嬢様が……
「ねえ、泳ごう!泳ごう!!!」
「ハッ、ハイッ…!お嬢様!!」 ・ ・ ・ ・ ・ 「わああ、最高だ・・・・・・・・・・・・・・・」 「ウワアァ・・・キモチィィィ・・・・・・・・・・・」 ※お客様用に、ゴーグルと水着の貸し出しまでありました。 ※プカプカと泳いでいたところ、お手伝いさんが新品のバスタオルを持って来てくださいました。 印牧さんは、自分の与えられた部屋で小さくなって、日本とのSkype会議をしてました。そんなに小さくならなくていいのに。
「塩谷さん、誤解のないように言っておくと、海外事業部はいつもこんな楽しいことばっかりしてるわけじゃないんですよ……僕、タイの出張10回目だけど、プーケット初めて来たんですよ……」
「はい。ちゃんと、そう書いておきます。誤解のないように…」 まぁ、私も、スイミングはほどほどに。どこにも行けないので、溜まりに溜まった原稿を片付けるチャンス……。 仕事を・・・ 仕事……どころではない!!! これ全部同じ家の中ですよ。調度品の数よ……!!! 別荘の中だけでも、仕事をする場所が100箇所くらいあってすごかったので、ここに本社オフィスごと引っ越したらいいのになって思いました(小並感)。 ちなみに、人里はなれた山の上でしたが、Wi-Fiはばっちり繋がりました。あと、写真には写ってないのですが、厨房がまたスゴかった。レストランの厨房だった。
さて、そんな感じで安全な場所(という天国)に避難して過ごしていたのですが、私の重大任務は取材。 この別荘の所有者であるヌタワットさん…… 今回、タイ航空とBAKE CHEESE TARTのコラボを実現させた、ヌタワットさんの奥様…… そして若くして、ヌタワットさんとバリバリとビジネスをされている、タイのスーパーエリートであるケイトさん…… 彼らは一体、どんな仕事人なのか?! なぜこんな彼らが、日本のBAKE CHEESE TARTをタイで展開することになったのか?! そこには、熱くて聡明で情熱的な、彼らのストーリーがあったのです・・・・。 次回、乞うご期待! https://www.bake-jp.com/magazine/?p=6487(9/22 追記)後編を公開しました!!!記事はこちらから! Text by 塩谷舞(@ciotan)
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— 株式会社BAKE (@bake_jp) 2016年6月2日