こんにちは、はじめまして! このたびTHE BAKE MAGAZINEでときどき記事を書かせていただくことになった、ライターの石川真弓です。普段は株式会社ロフトワークと渋谷のデジタルものづくりカフェのFabCafeの広報として週4で働きつつ、ブロガー・ライターとしても働く、いわゆるパラレルキャリアを実践している者です。
さて、3Dプリンターでは今、何を作ることができると思いますか? 大体なんでも作れる、というのもあながち嘘ではなくて、小さなフィギュアやパーツはもちろん、巨大なプリンターで家もつくれるし……
3Dプリント銃なんかも一時話題になりましたし、医療分野では臓器、歯、そして当然食べものも3Dプリントすることができます。
(こちらは手術の練習用の3Dモデルですが、本当の臓器も開発されているようです!) そしてもちろん、食べものも3Dプリントできるのです。
今回は、フード系3Dプリンターは今どんなものがあるの?ということをまとめてみました! グミやチョコや砂糖菓子を出力できるお菓子系3Dプリンターはすでに実用レベルでさまざま存在しています。お菓子の素材をカートリッジに、3Dプリンターで繊細な造形のお菓子は見た目も味も美味しそうなのです。
こちらは、世界初のグミを出力できる3Dプリンターを使ったスイーツショップ「Magic Candy Factory」。オリジナルのデザインで、オリジナルのフレーバーのグミを5分以内にプリントアウトできます。 2015年にベルリンでデビューし、ロンドンにも進出、そしてアメリカ・ニューヨークへの出店が決まり、どんどん店舗を増やしています。
あのハーシーキスチョコのHershey社と、3Dプリンターの大手メーカーである3D Systems社が提携して、チョコレート専用の3Dプリンター「CocoJet」を開発。 チョコレートを溶かして溶液と混ぜて、温度制御された槽の中で、最適な堅さに保たれながら3Dプリントしていきます。 ダークチョコレート、ミルクチョコレート、またはホワイトチョコレートでカスタムデザインをプリント可能。3Dデータが作れればチョコレートのデザインはほぼ何でも再現可能で、例えば、3Dスキャナーで自分の顔やペットの形をしたオリジナルチョコレートもつくれるようになりますよ!
砂糖、水、フレーバーを素材として使い、フルカラーで繊細で美しい砂糖菓子を出力できるこちらも、3DSystems社の「ChefJet Pro」。 結婚式のウエディングケーキに、新郎新婦の精細な砂糖のフィギュアを作ったりするのも素敵だし、高級レストランのアーティステックなデザートとしても喜ばれそう。
「ChefJet」が5000ドル(約52万円)、「ChefJet Pro」が1万ドル(約104万円)で、すでに様々なレストラン等で導入されています。
固形物を咀嚼出来ない高齢の方々も、素っ気ないお粥や流動食ばかりでは滅入ってしまうこともあるでしょう。見た目や触感も重視した食事は、健康状態を保つ上でとても大切なことですよね。 こちらは個人の状態に合わせて、最適な食事を食品工場で3Dプリントしてパッケージし、デリバリーするというシステム。食べやすくて栄養価も高く、消化の良い食事を成形できます。 EUが400万ドルを投資したPERFORMANCEプロジェクトで、2025年までに実用化をめざしている、とのこと。 日本でも高齢少子化が進む中、こういった仕組みはどんどん受け入れられていくのではないでしょうか?
フィンランドのVTT社が発表した3Dプリンタースナック自販機構想は、健康的で栄養たっぷりな3Dプリントスナックを自販機というカタチで提供しようというもの。 これから開発していく段階ですが、プロトタイプでは、デンプン、セルロース系食材、オーツや乳製品等で試作しているようです。 工場に置くほど大掛かりなものでもなければ、家に3Dプリンターを置く程でもない、じゃあもっと気軽に使えるようにということで自販機という方向なのですね。 将来的には、例えば「今日はビタミンとタンパク質と鉄分が足りない!」と思ったら、このニーズに合わせた食べものが自販機のボタン一つで出力される時代が来るかもしれません。
すでに高級レストランにも3Dプリンターは活用され始めているようです。 スペイン・バルセロナのレストラン「エノテカ」で、3Dプリンターでウニやキャビアをサンゴ礁に見立てた料理を試作したとか。3Dプリンターを使えば、見た目も美しく斬新な一皿が完成します。(ソース:BBCニュース) いかがでしたか? 今回はフード系3Dプリンターの中でも身近に感じられそうなものを調べて紹介してみました。おおまかには、お菓子の3Dプリンターのように、より繊細でアートのような見た目を実現できるものから、栄養バランスや食感を研究して「未来の食」を追求するものと二分される印象でした。 少なくても10年後には、3Dプリンターで出力された食べものを誰も違和感なく食べている未来が来そうな気がします! Text by 石川真弓 ( @mayumine )
・食や”くらし”を入り口に、レーザーカッターや3Dプリンターまで楽しめる。湘南にあるスタジオが楽しい! ・舞台は、東京から28時間も離れた東京。構想から13年、東京産のカカオとチョコレートの実現に成功!
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— 株式会社BAKE (@bake_jp) 2016年6月2日