自由が丘の駅ほどちかくにあるBAKE CHEESE TARTのお店。 同じビルの3階には、チーズタルトの香りが漂う「OPEN LAB」があります。ここは、あたらしいお菓子を開発したり、商品がもっと美味しくなるための研究をしている、お菓子の実験場です。 4月のある日。このOPEN LABにクリエイターたちが集まって、あたらしいお菓子の実験を進めて行ったのでした。
ことの発端は4月2日、SonyさんとBAKEが合同開催したアイデアソンの開催にまで遡ります。事前審査を通過した約50名のクリエイターたちが、9つのチームに分かれて、「お菓子を楽しむ新しい空間体験」をそれぞれに発表していきました。 詳しくはこちら。 「おなかがいっぱいになる1日。SonyとBAKEのアイデアソンで生まれた、おいしい空間」 そこで最優秀賞に輝いたチーム「Table Jockey」を、ここOPEN LABでもっと具体的な形まで持って行こう……!という1日。 最初は最優秀チームだけの予定だったのですが、準優勝のチーム「マジカルたるこ」の方々も会場に参戦。 「せっかくだから、僕たちも最後までやらせてください!」との熱意で、プロトタイプを作り上げるところまで参加してくださいました。 「Table Jockey」と「マジカルたるこ」の2チームが作り上げた作品をご紹介します。
Sony・Life Space UXのポータブル超短焦点プロジェクターの上にカメラがあるのですが…… このカメラで食べる人の表情を認識。そして、食べる人とタルトが同じ表情をするんです!(しかも、両手がバタバタと動きます) 「マジカルたるこ」に、BAKEのたるちゃんもチャレンジ。 こちらから動画でどうぞ!
「マジカルたるこ」を作ったのは、やまざきはるきさん、プログラマーの岩崎 弾さん、そしてアナウンサーの木村彩乃さん。 「お菓子を食べることは楽しいことだけど、お菓子とお話が出来るともっと楽しい!」というアイデアのもと、タルトそのものを喋らせてしまおうという作品になったマジカルたるこ。 やまざきはるきさんは、タルトへのプロジェクションをするソフトウェアを制作。日頃は広告会社で、あたらしいコミュニケーションに活用出来そうな技術開発を行っているそうなのですが、こうしたハッカソンに参加することで自社の技術向上にも活かせるのだとか。 タルトが動いて、感情を表現するハードウェア部分を制作したのは岩崎 弾さん。日頃は、ハッカソンのようなオープンイノベーション活動から生まれたアイデアの商品化やサービス化を積極的に行っているJellyWareという会社で、最高IoTイマジニアとして、設計・開発などのモノづくりをされておられます。 ハッカソン初参加というアナウンサーの木村彩乃さんは、もちろんタルトの声を担当。「初めての参加だったけど、私が出来ることをどんどんやらせてくれる仲間がいて、みんなの得意なことを合体していくことが出来ました!」とのこと。今回のマジカルたるこは試作品ですが、たとえば、BAKE CHEESE TARTの店舗で商品をお待ちのお客様に対して、ずらっと並ぶタルト全てにプロジェクションマッピングされると、面白いのでは……?! などなど、さらなるアイデアも飛び出しました。
そしてアイデアソン時に優勝したチーム、Table Jockey。しかし、このアイデアをプロトタイプ化していくにあたって、最も重要な音声を解析する部分のエンジニアさんがいらっしゃらなかったようで…… 急遽、別チームから助っ人に来てくれたのがソフトウェア系エンジニアの仁多見遼さん(写真右から2人目)。 6人のチームとなり、開発が進みました。 左から、プログラマーの窪田峻さん。広報の渋谷かおりさん。BAKEで「食×サイエンス」の課題を日々研究中の大嶋絵理奈さん、そして助っ人としてやって来た仁多見さんと、このチームのリーダーであるエンジニアの大木尊紀さんです。そして残念ながらこの日来られなかったのですが、デザイナーの田中ゆかさんというメンバーもいらっしゃいました。 Table Jockeyのコンセプトはこんな感じ。 楽しい会話をしているときの食事と、気まずいときの食事。味は全く同じものでも、美味しさが全然違うように感じられますよね。 音楽の力で、楽しい会話を促進して、もっともっと美味しい空間作りをしよう…というものなんです。 音を見える化するスマートマイク「Listnr」でセンシングした会話を認識して、声の周波数が高いのか、低いのか……などをWebオーディオAPIを使って解析。 そこで周波数が高ければハイテンションな曲を、低ければ穏やかな曲をSonund Cloud内の楽曲で組まれたプレイリストから引っ張って、Sonyのグラスサウンドスピーカーから曲を流す……という構想のもの。 ただ、音声の周波数解析までは実現したものの、そのデータをSound Cloudの方につなげてプログラムを動かすまでが間に合わず、発表時は見事な寸劇でカバー。 リーダーである大木さんは、「日頃の仕事はエンジニアなので、自分でアイデアを考えることは滅多にありません。だから、こうして自分のアイデアをチームで開発していけるのはすごく楽しかったです。ただ、最後まで実現できなかったことは悔しいですが…!」と話してくれました。 ちなみに、「このマイクでカップルの会話などを盗聴することも可能なのでは?」と心配になったのですが、周波数をセンシングするだけだそうです。ご安心ください。 こうして(一旦は)幕を閉じたSonyさんとBAKEのアイデアソン。 BAKEでは、店舗を様々なクリエイターさんたちと一緒に設計・開発しています。お菓子屋さんという空間で、どんなエンターテインメントを提供出来るか? これからも挑戦していきたい分野なので、「これは!」と思う方はぜひご連絡ください! そして、この記事の写真。素敵だと思いませんか? 実は1日目のアイデアソンに参加してくださったフォトグラファーの本多純さんが撮影してくださったものなんです。 本多さんのInstagramの写真があまりにも素敵なので、ぜひご紹介させてください…!
す、素敵すぎる……。お菓子がまるで宝石や高級化粧品のように見えます。本多さんのインスタグラムアカウントはこちらですよ! ・Jun Honda(Instagram) また、SonyさんのLife Space UXでは、様々なクリエイターとコラボレーションしたイベントや企画などを開催されています。気になる方はこちらもあわせてぜひチェックしてみてくださいね。 ・Life Space UX (Facebook) BAKEの最新情報はこちらからお届けしています! ・株式会社BAKE (Facebook)
・同じ商品でも、こんなに変わる!?デザインとPRの力で大行列になったお菓子の舞台裏 ・美大を卒業して、制作会社で働くか、メーカーのインハウスデザイナーになるか、それともフリーランスになるか?
THE BAKE MAGAZINEでは週に2回、食や農業、デザイン、サイエンス、テクノロジーなどにまつわる記事を発信したり、BAKEの活動や働く人たちのストーリーをお伝えしています。 最新情報はこちらのアカウントでお届けします!https://t.co/LIxHbzNAS2 — 株式会社BAKE (@bake_jp) 2016年6月2日