2025年12月2日、BAKE INC.(以下、「BAKE」)から新ブランド「TeaDrop.(ティードロップ)」が誕生しました。“紅茶の香りをほおばる、ひと雫の幸せ” をコンセプトに掲げた、紅茶菓子ブランドです。
“飲む” だけでは出会えない紅茶の新しい魅力をお菓子として表現したという、このブランド。
そこにはどんな想いが込められているのでしょうか。
ブランドの立ち上げに携わったプロジェクトマネージャーの馬場、商品開発担当の熊代、クリエイティブ担当の五味渕。3名それぞれに、ブランド誕生の背景とこだわりを伺いました。
― まずは、新ブランド「TeaDrop.」の立ち上げ背景から教えてください。なぜ今回「お茶」、特に「紅茶」をテーマにしたブランドにしたのでしょうか?
馬場: 今回お茶を選んだ背景には、近年「香り」への関心が高まっていることがあります。フレグランスブランドではティーフレグランスが人気です。また、海外では抹茶や中国茶の専門店も増えています。大手カフェチェーンでも、ティー体験を軸にしたブランドを展開する動きがありますよね。スイーツの分野でも、お茶を使ったお菓子は確実に増えていると感じています。
― 確かにお茶スイーツ、増えていますよね。その中でBAKEとして「お茶のお菓子」を手がける意義についてはどうお考えですか?
馬場:お茶とお菓子には、切っても切れない深い関係性があると感じています。
イギリスのアフタヌーンティー、フランスのティーサロン、日本の茶の湯など、歴史的・文化的に見ても、お茶とお菓子は一緒に楽しまれてきました。この親和性の高さにまず着目しました。
さらに、お茶は茶葉の選び方次第で、同じレシピでもまったく違う風味を楽しめるのが魅力です。なかでも紅茶は香りが豊かで、素材としてのポテンシャルが伝わりやすく、お菓子との相性がとても良い。お菓子ごとに茶葉を使い分けることで、より洗練された印象を生み出せます。ギフトやおもてなしとしてのご利用はもちろん、仕事や家事の合間にほっと一息つくような、日常の贅沢としても楽しんでいただける商品ができると考えました。
つまり、紅茶はスイーツとの親和性が高く、文化性と市場性の両方を兼ね備えた素材。その奥行きと香りを最大限に活かして、紅茶を主役にしたスイーツブランドとして、新しい価値を届けたい — そんな想いから、「TeaDrop.」が生まれました。
― なるほど。紅茶とお菓子には深い繋がりがあるんですね!
それではブランドについて詳しくお聞きしていきます。まず、「TeaDrop.」の名前の由来を教えてください。
馬場:はい。ブランド名の由来を説明するために、まずはメインプロダクトを紹介します。
「TeaDrop.」のブランドの顔となる “スペシャリティ” として開発したのが、「ティードロップケーキ」です。紅茶のおいしさをどうしたらお菓子で表現できるか。その一点を突き詰めて生まれた商品です。

このケーキは、仕上げの工程で紅茶のシロップに “ドロップ(浸す)” すること、そして紅茶の雫をイメージしたドロップ型のフォルム。この2つの意味を込めて「ティードロップケーキ」と名づけました。そしてその象徴的なモチーフから、ブランド名も「TeaDrop.」としています。
― なるほど!二重の意味が込められているのですね。
馬場: はい。「TeaDrop.」のブランドコンセプトは「紅茶の香りをほおばる、ひと雫の幸せ」です。
飲むだけでは出会えない紅茶の魅力を、お菓子を通して届けたいと思っています。茶葉を粉砕して生地に練り込んだり、シロップに漬け込んだりすることで、香りと味わいがふわっと口の中に広がり、長く余韻を残します。まさに、“食べる紅茶体験” を感じていただけるようにしました。
― お客さまには「TeaDrop.」をどのように楽しんでもらいたいですか?
馬場:「TeaDrop.」は、日常の中で小さな幸せを感じられる存在でありたいと思っています。
仕事の合間や休日のティータイムなど、ひと息つく瞬間に自分らしくいられるきっかけをつくりたい。そして、誰かと分かち合いたくなるような、そんなお菓子であってほしいですね。一日の中で、ちょっと気持ちがゆるむ瞬間に「TeaDrop.」を思い出してもらえたら嬉しいです。
― ここからは商品開発のお話を伺います。熊代さんは、メインプロダクト「ティードロップケーキ」の開発を担当されたのですよね。開発はどのように進められたのでしょうか?
熊代: はい。馬場さんから「シロップに浸す、雫の形の商品をつくってほしい」というお題をもらい、そこから開発がスタートしました。シロップをしっかり染み込ませながらも、雫の形を保てるようにする——そのバランスを取るのにとても苦心しましたね。試作を何度も重ね、ようやく紅茶の香りとシロップのやさしい甘さがふんわり、じゅわっと広がる食感にたどり着きました。
― 「シロップに浸す」という工程は、食感の面でも難しそうですね。特に主役である「茶葉」を活かすために工夫した点はありますか?
熊代:そうですね。やはり主役は茶葉なので、その香りや風味を損なわないよう、油脂の割合やシロップに使うリキュールの選定には特に気をつけました。使用しているのは、清澄白河にある紅茶専門店TEAPOND(ティーポンド)さんの「アールグレイ リバティ」という茶葉です。非常に香りが良く、上品なベルガモットの余韻が特徴なんですよ。
ブランドの世界観を象徴する、紅茶の魅力を存分に味わえる一品になったと思います。

― TEAPONDさんの茶葉を使っているのですね!それは楽しみです。「ティードロップケーキ」以外には、どのようなラインナップがあるのでしょうか?
熊代: はい。常温で楽しめる箱菓子をいくつかご用意しています。
まず、「ティーグレイスケーキ」は紅茶の茶葉を贅沢に練り込んだ生地にシロップをたっぷり染み込ませたケーキで、{アールグレイ}と{チャイ}の2フレーバーをご用意しています。外はふんわり、中はしっとりとした口あたりで、紅茶の香りとやさしい甘みを存分に感じていただけると思います。

次に「ティーショコラサンド{アールグレイ&ラズベリー}」は、アールグレイを練り込んだクッキーに、紅茶チョコレートをサンドしています。サクサクの食感とミルキーなチョコレート、そしてラズベリーソースの甘酸っぱさが重なり、紅茶の香りをより引き立てています。

そして「ティードロップクッキー{アールグレイ}」です。
こちらは「ティードロップケーキ」と同じ茶葉、「アールグレイ リバティ」を使い、ドロップ型に焼き上げたクッキーです。茶葉をたっぷり生地に練り込み、香りの立ち方にとことんこだわりました。サクッと軽やかな食感で、紅茶の香りを余すことなく味わっていただけます。

熊代:どの商品も紅茶の風味とおいしさをしっかり感じていただける仕上がりになりました。ぜひその日の気分やシーンにあわせて楽しんでいただけたら嬉しいです!
— ブランドコンセプトと商品、どちらも紅茶への愛が感じられますね!
それでは最後に、この世界観をビジュアルに落とし込むクリエイティブ全般を担当された五味渕さんにお話を伺います。まずは「TeaDrop.」のロゴデザインについて教えてください。
五味渕: はい。「TeaDrop.」のロゴは、クラシカルな印象を大切にしたくて、このような書体を採用しました。よく見ると「o」と「p」の形を少し変形させていて、ブランド名にもある “滴り落ちる雫” をさりげなく表現しています。

― ロゴとあわせて、シンボルのようなマークも印象的ですね。
五味渕:そうなんです。ロゴとは別に、「エンブレム」と呼んでいるシンボルマークを作りました。
お気に入りの紅茶缶を開ける時の幸せな瞬間、そういった日常の小さな幸せを表現するため、紅茶缶のパッケージをイメージしてデザインしています。このエンブレムは、さまざまな商品に展開しています。

— 「ブランドカラーについても教えてください。
五味渕:はい。メインカラーは、この少し淡い紫。「アールグレイパープル」と名付けました。高級な紅茶の色をイメージしています。サブカラーとしては、紅茶が染み出す瞬間の色をイメージした「ティーイエロー」です。温かみのある差し色に使用しています。

五味渕:トーン&マナーとしては、「クラシカル」と「モダン」、そして「日常感」を組み合わせることを意識しました。
特にパッケージデザインで大事にしているのは、クラシカルな感じとモダンさの掛け合わせです。
「クラシカルさ」は、クラシカルな紅茶文化を示すとともに、私たちが本気でものづくりに向き合っている姿勢を表現できると思っています。そこに「モダンさ」、つまりBAKEらしさや現代的な親しみやすさを掛け合わせていくイメージを持っています。そこに、馬場さんのお話にあったような「自分らしく過ごす日常の風景」を重ね、「TeaDrop.」ならではのオリジナリティを表現しています。
デザインコンセプトは、「カーテンから漏れる光」という、少し抽象的なモチーフを表現しています。たとえば、片付けが終わってほっと一息つく昼下がり、天気が良くてカーテンの隙間から光が漏れ出している—そういった、だれもが共感できる「幸せのワンシーン」を表現したいと考えました。
その “漏れる光” を、ブランドのキーモチーフとしてドットで表現しています。

五味渕:「TeaDrop.」のデザインは、日常の中にそっと寄り添う存在でありたいです。
手に取ったときに、なんだか心がやわらぐ——そんな小さな幸せを感じてもらえたら嬉しいです。
― 馬場さん、熊代さん、五味渕さん、本日はありがとうございました!
「TeaDrop.」では、今後はさらに多彩な紅茶の魅力を引き出すお菓子を展開していく予定です。
「TeaDrop.」を通して、日常のなかに小さなときめきと安らぎのひとときをお届けできますように。
紅茶とお菓子が織りなすやさしい時間を、どうぞご堪能ください。
12月2日(火)より、「TeaDrop.」のPOPUPがスタートしました!

場所 :東京都千代田区丸の内1丁目9−1 JR東京駅 グランスタ東京 B1改札内 銀の鈴エリア
営業期間 :2025年12月2日(火)~ 2026年2月15日(日)
営業時間 :平日・土 8:00~22:00、日・祝日 8:00~21:00
※翌日が休日の場合は、22:00まで営業
定休日 :なし
※ティードロップケーキ{アールグレイ}は、会期中12:00以降での販売となります。
※全商品なくなり次第終了となります。
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ブランドサイト https://tea-drop.com/
Instagram https://www.instagram.com/teadrop_jp/
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Text by 久保田 由美
TeaDrop.
オンラインショップにて一部商品のお取り扱いがございます。 オンラインショップでの販売開始は、2026年1月中旬を予定しています。