昨夏に続き、明日7月6日(水)からミスタードーナツとBAKE INC.が共同開発したドーナツ5種がミスタードーナツ全店(一部店舗を除く)で発売となります。
今年は、「BAKE CHEESE TART」に加え「RINGO」との共同開発商品も登場!
期間中 「#ドーナツにBAKEる」をキャッチフレーズに、共同開発商品のベースとなった「焼きたてチョコレートチーズタルト」や「焼きたてカスタードアップルパイ レモン」などを各BAKE INC.のブランド店舗で販売します。
今回のTHE BAKE MAGAZINEでは、ミスタードーナツで商品開発を担当する鈴木 彩伽さんと広報担当の加藤 明美さんに、共同開発の舞台裏からブランドづくりまでお話を伺いました。
「misdo meets」の共同開発先として、BAKE INC.のスイーツブランドを選んで下さった決め手を教えてください。
鈴木:昨年の夏場の商品を企画する際、約2,000名の方に「どのようなドーナツを食べてみたいですか」とWEBアンケートを実施しました。その結果、最もお客さまの支持が高かったのが「チーズケーキ」でした。
開発にあたり、バスクチーズケーキやレアチーズケーキ、チーズスフレなど、市場に出回っている様々な種類のチーズケーキをたくさん食べました。その中で、甘味と酸味のバランスが良く、ドーナツと組み合わせた時に一番合う!と感じたのが「BAKE CHEESE TART」の焼きたてチーズタルトでした!
初めはオリジナルでチーズケーキ風味のドーナツを開発しようとしていたのですが、せっかくならあのおいしいチーズタルトをドーナツで再現したいと思い、BAKE様に共同開発を申し込ませていただきました。
たくさんのチーズスイーツの中から選んで下さったとは!すごく嬉しいです。
鈴木:チーズタルトをきっかけに、「RINGO」や「ZAKUZAKU」などBAKE様が展開される様々なブランドのスイーツを巡りました。どれも洗練されたシンプルさと、誰もが美味しいと感じるような親しみのわく安心感のある味わいなんですよね。「親しみ」「安心感」といったキーワードがミスタードーナツの味のつくり方と似ているなと感じました。
また、1つのブランドに1つの看板商品があってブランドごとに個性を出されている点や、毎日お店でできたての商品を提供している点、おいしさの3原則(原材料にこだわる・手間をおしまない・最良な状態で提供する)にも感銘を受けました。大切にしている根幹の想いが同じであるならば、一緒により良い商品を作らせていただけると思いました!
実際に共同開発されて、いかがでしたか?
鈴木:「焼きたてチーズタルト」という目標となる味や形があったので、ドーナツの仕様を組み立てることには壁を感じませんでした。しかし実際の開発では、キッチンで何十回も試作をして、何百個も焼いて、試行錯誤の連続でしたね。味や香りの再現には、BAKE様の商品開発の方から数多くのアドバイスをいただいて、知見が広がりました。
昨年共同開発したドーナツは、たくさんのお客さまから「是非、来年も販売してほしい!」と大変ご好評いただきました。開発担当者のプライドにかけて、今年はさらに美味しく、昨年とは違う商品を出そう!と思って(笑)
今年は新たに「ベイク チョコチーズタルトドーナツ」や「リンゴ クロワッサンドーナツ カスタード」などを発売されます。こだわりポイントは?
鈴木:チョコレートとチーズの組み合わせは、ミスタードーナツにとって初めての挑戦だったんです。初めは、ハイカカオな黒味の強い色合いで試作したのですが、アドバイスをいただき、BAKE様のチョコレートチーズタルトに少しでも近づけるため、カカオの配合量を調整して色や味を変えるなど、バランスの調整を繰り返しました。
クロワッサンドーナツ生地の開発も非常に大変でした。。。RINGOに使用されているパイ生地は材料を焼いて作りますが、ドーナツは揚げものであるため、食感も味も全く別物なのです。異なる2つをどのようにして近づけるか、アイデアを出すのに苦労しました。
考え抜いた結果、2014年4月にミスタードーナツで初めて販売した、ドーナツ生地を何層にも重ねて作った「クロワッサンドーナツ」をベースにしようと思い付いたのが大きな一歩でした。RINGOの特徴であるサクサクした食感のパイ生地に近づくよう、生地の配合を何度も見直してりんごのシャキシャキ食感が感じられるような新しい生地へ改良しました。
1970年に創業されて以降、ドーナツというスイーツを日本に定着させ、たくさんのファンに愛されてきました。商品開発において、大切にしていることは?
鈴木:老若男女を問わず幅広いお客さまにご満足いただけるように、4つの柱で商品開発を行っています。
1つは「misdo meets」です。宇治茶専門店「祇󠄀園辻󠄀利」やベルギー王室御用達のパティスリーブランド「WITTAMER」、そして「BAKE CHEESE TART」など、いろんなスイーツブランドとの共同開発によって、最高水準の素材や技術を使った商品を共につくり、お客さまにいつもと違ったワクワク感をお届けしています。
2つ目は、春の桜餅、秋のさつまいも、といった季節の素材をドーナツで表現した限定商品です。ミスタードーナツならではの食感や味わいで、お客さまに四季折々の楽しさをお届けしています。
3つ目は、ポケモンやしまじろうといったキャラクタードーナツです。幼少期のお子さまの大切な人生の記憶に、ご家族で楽しく過ごした思い出を残していただきたいという想いで開発しています。
そして、4つ目は「ポン・デ・リング」や「オールドファッション」、「エンゼルクリーム」といった定番商品の改良です。長年多くのお客さまからご支持いただいている定番ドーナツも、実は50年間ずっと同じ配合で作っているわけではなく、食感や味わいを時代に合わせて少しずつブラッシュアップし続けているんですよ。
定番商品も進化しているんですね!懐かしさの中にある飽きないおいしさや新鮮さが、50年以上経ってもファンを魅了しているんですね。商品開発以外で大切にしていることはありますか?
加藤:「客の心を心とせよ」というミスタードーナツ創業時からの理念を、スタッフ全員に根付かせること、そして、ドーナツのおいしさを広めるには“店づくりより人づくり”を大切にしています。
1971年4月に1号店をオープンした後、トレーニングセンターを開設しました。現在はミスタードーナツカレッジという名称の施設で店舗運営責任者の資格を有するため、2週間ほど研修を受けます。また、ほとんどの本部スタッフも研修を受け、店舗勤務も経験します。お客さまの声を聴き、働くスタッフの気持ちに寄り添う。現場の声は現場でしか聴けませんから。
人づくりを大切にされてきたからこそ、お客さまを大切にする風土が根付いているんですね。
全国の都道府県をまわってファンミーティングを開催され、お客さまと直接コミュニケーションされているとか。
加藤:はい。2014年5月に大阪で第1回目のファンミーティングを始めて、2018年3月に全国一周することができました。現在2周目を開催し、意見交換をさせていただいています。
「エコとりくむド」というネーミングで、フードロスの削減など様々なSDGsにも積極的に取り組まれていますね。
加藤:SDGsという言葉が世に出る前から、様々な取り組みを行っています。
例えば、閉店時に残ってしまったドーナツを家畜の飼料として再利用したり、ドーナツを揚げて古くなった油を飼料用の原材料や工場の燃料、お店で使う手洗い洗剤などに再利用したり、包材や食器類などの紙類・プラスチックの排出を抑制したり・・・。
食を取り巻く環境が大きく変化する中、今後、どのような商品づくり・ブランドづくりをしたいとお考えですか?
鈴木:時代や環境が変わっても、「やっぱり、ミスタードーナツおいしいよね」と言っていただけるように、お客さまのご期待を超える商品を作り続けたいです。
加藤:私たちミスタードーナツは創業当時からの理念のもと、時代のニーズに合わせて変えてきたものがあります。
幅広いお客さまに楽しんでいただけるよう、朝食やランチ向けの「ミスドゴハン」、ネットオーダーや宅配サービスなどの提供もその一部です。
「いいことあるぞ ミスタードーナツ」というスローガンのもと、お客さまの想いに沿った商品やサービスが提供できるよう努力を続けていきたいですね。
鈴木さん、加藤さん、お話ありがとうございました。今年の夏も「misdo meets BAKE INC.」でたくさんの笑顔が生まれますように!
文/真鍋 順子