「BAKE CHEESE TART」「RINGO」「BAKE the SHOP」の各店舗では、今日6/20(月)から、ショッピングバッグを有料化させていただいています。
“美味しさの次にデザインが大事”という考えのもと、お菓子を入れる箱やショッピングバッグなどのパッケージもこだわって制作してきたBAKE INC.。
今回は、ショッピングバッグ有料化を決断するまでの背景や、ブランドとしての今後の展望などについて、「BAKE CHEESE TART」や「BAKE the SHOP」を手掛けるBCT・BtS事業部 部長の馬場に話を聞きました。
2020年7月にスーパーやコンビニなどのレジ袋有料化がスタートし、今年4月には「プラスチック資源循環法」が施行。地球環境問題の解決に向けた取り組みとして、プラスチック製だけでなく紙袋の有料化も進んできています。ようやくBAKEでも…という感じですね。
はい。SDGsへの意識の高まりを受けて、スーパーやコンビニ、デパート、大手製造小売企業などでは、いち早く取り組みが進んでいます。BAKEでも、持続可能な未来をつくる、という想いは同じです。
BAKEの場合、紙製の包材を使っていて、必要最小限のシンプルな包装スタイルなんです。紙製のパッケージやショッピングバッグも、古紙や再生利用可能な紙を使用しているので、これまでも可能な限り環境に配慮してきました。
しかし、お客さまにご負担をおかけすることへの懸念や、こだわりのパッケージと一緒に楽しんでいただきたいという想いなどから、有料化の決断には社内でも様々な議論がありましたね。
決め手は何だったのでしょう?
ブランドとして、社会の一員として、恐れずにもう一歩踏み出すべきだと考えました。お菓子を進化させる会社、ブランドであるためには、SDGsへの取り組みは積極的に進めなければと。
実は、ショッピングバッグの有料化だけではなく、箱の見直しも行ったんです。これまではチーズタルトの6個入り箱しかなく、例えば2個お買い上げいただいた方の場合、小さい紙袋に入れて、崩れないようさらにショッピングバッグもお渡しすることが多かったんです。
今回、2個入りの持ち手の付いた箱を作ることで、ショッピングバッグなしでもお持ち帰りいただけるようにしました。
なるほど、お客さまのご負担を減らす工夫も同時に行ったわけですね。
「BAKE CHEESE TART」の黄色、「RINGO」の赤色、「BAKE the SHOP」の緑色と、それぞれのブランドカラーが印象的なショッピングバッグは、繰り返し使ってくださるお客さまも多そうです。
そうですね。すでにリユースしてくださっているファンの方々もたくさんいらっしゃると思います。
今後、有料化によってショッピングバッグをお渡しする機会が減っても、商品はそれぞれのブランドカラーを活かした箱にお入れします。
ご家族やご友人などでお召し上がりいただく際、BAKEのデザイナーがこだわって作った箱も一緒にテーブルに乗せていただくと、食卓が華やかになるのではと思っています。
2014年2月に焼きたてチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」の1号店がオープンしてから、今年で9年目になりますね。
初めはプレーンの焼きたてチーズタルトだけを提供していましたが、もっとチーズタルトを楽しんでいただきたいという想いから、チョコレートやあまおう苺、抹茶など、季節や地域限定のフレーバー商品も併売しています。
ご来店いただくお客さまの多くは、その時々の限定フレーバーとプレーンのチーズタルトを併せ買いしてくださるんです。
そこで今年は、原点回帰というか、改めてプレーンの美味しさを感じていただきたいと考え、新たなチャレンジを始めています。
私も、初めてプレーンのチーズタルトを食べた時の感動を今でも覚えていて、併せ買いしちゃいます(笑)今年始めた新たなチャレンジとは?
今年2月、ホクレン農業協同組合連合会さまからお声がけをいただき、渋谷ヒカリエで開催された「北海道地チーズ博2022」に出展しました。「BAKE CHEESE TART」は北海道にルーツがありますし、北海道の自社工場で製造しています。
このイベントでは、北海道の2つのチーズ工房とコラボレーションし、セイボリー寄りの限定チーズタルトを開発しました。チーズプロフェッショナルからも、「クリームチーズのほどよい酸味があるのでしつこさがなく、コラボチーズのトッピングで濃厚さも出て本当に美味しい」と絶賛いただいて。
たしかに。イベントで試食して、定番のチーズタルトよりも甘さ控えめで、ワインなどにも合うなと思いました。
また、4月にはタルトカップをアレンジした「焼きたてクアトロチーズタルト」を「BAKE the SHOP 自由が丘店」で限定発売しました。
これまで、チーズタルトのチーズムースをアレンジすることがほとんどだったんですが、タルトを口に入れたとき直接舌に触れるタルトカップの味によって美味しさが左右されるんじゃないかなと。
「焼きたてクアトロチーズタルト」のタルトカップは、「PRESS BUTTER SAND」の「バターサンド〈チーズ〉」のクッキー生地がベースとなっていて、ブランドの垣根を超えた社内コラボレーション商品なんです。
テスト的に1店舗限定で販売したんですが、チーズの香ばしさが人気で日々完売し、リピーターのお客さまもたくさんいらっしゃいました。次は、より多くのお客さまにご提供できればと考えていますので、楽しみにしていただければと思います!
THE BAKE MAGAZINEで製造現場を取材した時、フロアいっぱいにチーズの香ばしい匂いが広がって、かなり食欲をそそられました(笑)是非、たくさんの方に楽しんでいただきたいですね。
そうですね!
定番のプレーンのチーズタルトは、スイーツとして楽しんでいただくのにちょうどよい甘さですが、原材料をアレンジすることで、甘じょっぱいセイボリー系の味わいが楽しめます。まだまだ、タルトの可能性は広げられるなと手応えを感じています。
最近では、BAKE INC.として国内初のプラントベースフードとなる「植物うまれのSOYタルト」も限定発売しましたね。お客さまの反応はいかがですか?
「待ってました!」というお声を多数いただいています。お客さまから直接コメントをいただく機会が増えたり、ソイタルトだけをご購入くださるお客さまがたくさんいらっしゃったり。
動物性の食物を控えていらっしゃる方をはじめ、これまでBAKEがアプローチできていなかった新しいお客さまにもご提供でき、手応えを感じています。
一方で、まだまだ改良の余地があると思っています。製造面での調整なども多々必要ですが、是非第二弾も企画していきたいです。
これから、10周年に向けてどんなチャレンジをしていきたいですか?
“お菓子を、進化させる”というビジョンを掲げている以上、他社がやらないような面白いチャレンジをしてこそBAKEだと思うんです。
コロナ禍でお客さまの価値観が大きく変わった今、お客さまのご期待を超えていくには、普段お客さまと接している店舗メンバーの声を活かすこと、お菓子に限らず異業界の取り組みにも目を向けることが必要だと感じています。
美味しいのは大前提で、素材や栄養、技術、販売方法、用途など、様々な企業様とコラボレーションしたりしながら、ファンの皆さまに「やっぱりBAKEって面白いね」と言っていただけるようなチャレンジをしていきたいですね。
これからも多くのファンの方々に笑顔を届けられるBAKEでありたいですね!馬場さん、ありがとうございました。
文/真鍋 順子