2022年2月11日(金・祝)から14日(月)まで、4日間にわたり渋谷ヒカリエで開催された「北海道地チーズ博2022」。4度目の開催となる今回は、過去最多となる49の工房・メーカーから約350種もの北海道地チーズが集結しました。
焼きたてチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」は、今回のイベント限定で北海道地チーズ2種とコラボレーションした「焼きたて北海道チーズタルト」を開発。会場内限定で販売させていただきました。
今回のTHE BAKE MAGAZINEでは、2月10日(木)に行われた「北海道地チーズ博2022」のオープニングセレモニー&体験会の様子を中心に、北海道地チーズの魅力をお伝えします。
大雪が心配される中、渋谷ヒカリエのホールでオープニングセレモニーがスタート。イベントの主催者であるホクレン農業協同組合連合会の西川代表理事副会長や、農林水産省の武部副大臣などのご挨拶がありました。
今回のイベントは「令和3年度国産チーズ競争力強化支援対策事業」の一環として、北海道地チーズの品質の良さや美味しさを広くアピールし競争力を高めることで、生産者の方々が安心してチーズづくりを続けられるよう後押しする目的で開催されたとのこと。
日本全体のチーズの消費量は6年連続で拡大していて、チーズ工房/メーカーの数もここ10年で約2倍に増加。全国のチーズ工房/メーカーの約半数が北海道にあるそうです。
昨年11月にスペインで行われた「World Cheese Awards 2021」では、世界中から出品された4,079ものチーズの中から、日本のチーズも14品が受賞。まだまだ欧米産のイメージが強いチーズですが、着々と国産チーズの国際的な評価が高まってきているんですね。
チーズ好きにとっては、ますます国産チーズから目が離せません!
「BAKE CHEESE TART」のチーズタルトには、通常、スイーツとして召し上がっていただけるよう、オリジナルブレンドしたクリームチーズを使用していますが、今回は、イベントに出展されたトワ・ヴェールさんの「クリームチーズ」としあわせチーズ工房さんの「幸 -sachi -」とコラボレーションし、セイボリー寄りの限定チーズタルトを開発。イベント会場限定で販売させていただきました。
オープニングセレモニーで登壇された、チーズプロフェッショナルの石川尚美さんからは、「一般的なチーズケーキやチーズタルトはもったりとしていて固めな感じが多いけれど、BAKEさんのチーズタルトはふわっとしてくちどけが良いですね!クリームチーズのほどよい酸味があるのでしつこさがなく、“幸-sachi -”のトッピングで濃厚さも出て本当に美味しい」と絶賛いただきました!ありがとうございます!
登壇後の石川さんにペアリングについてお尋ねしたところ、
「白ワインが合いそうというイメージがあるかもしれませんが、今回のチーズタルトにはフルーティーでほんのり甘味のある赤ワインが合うと思います。スパークリングやカクテルに合わせてもいいかもしれませんね!」と教えてくださいました。
北海道札幌市でチーズサロンをされている石川さん。国産チーズを盛り上げ、たくさんの人にチーズを楽しんでいただくには、チーズをそのまま食べる機会を増やすだけでなく、スイーツや料理など日常生活でもっと気軽にチーズを楽しんでいただけるようにすることが必要ですね、とお話されていました。
何だかチーズスイーツを手掛けるBAKEへのエールにも聞こえました。
過去最多となる49の工房・メーカーが出品した今回のイベント。せっかくのご縁なので、BAKEとコラボレーションいただいたトワ・ヴェールさんとしあわせチーズ工房さんにお話を伺ってみました。
まずは、トワ・ヴェールさんのブースから。
今回コラボレーションさせていただいた「クリームチーズ」の特徴を教えてください。
北海道黒松内町の牧場でとれた搾りたての生乳を使って手作りしています。生乳に生クリームを加え、熟成させないで作るフレッシュタイプのチーズです。程よい酸味の中にほのかな甘みがあり、滑らかな口当たりが特徴ですね。
2005年に第5回ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテストで優秀賞をいただき、2013年に日本航空(JAL)の国内線ファーストクラスで提供されるなど、ご評価をいただいています。
黒松内町には、日本最北端で最大規模のぶなの原生林があるのですが、ぶなの木の北限の里をイメージした絵柄をパッケージに使っているんですよ。
クリームチーズの他にもオススメのチーズはありますか?
「くろまつないブルーチーズ」もオススメです。青カビタイプのチーズは、ちょっと苦手という方もいらっしゃるかもしれませんが、くろまつないブルーチーズは黒松内町産の搾りたて生乳を使い、塩分控えめで余計なものを一切加えずに一つひとつ丁寧に熟成させて作っているので、とても食べやすく、ご家庭でチーズの熟成を楽しみながら召し上がっていただけます。
こちらも、2011年に第8回ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテストの青カビ部門で金賞を受賞、2013年と2014年に日本航空(JAL)国際線ファーストクラスの機内食に採用されました。
トワ・ヴェールさんは、チーズ工房というより町の活性化を目指して創設されたのでしょうか?
トワ・ヴェールは、黒松内町特産物手づくり加工センターの愛称です。自然豊かで酪農や畜産が盛んな黒松内町をもっと多くの人に知ってもらいたい楽しんでいただきたいという想いと、町の産業を活性化させたいという強い想いで誕生したのがトワ・ヴェールなんです。
ですから、チーズだけではなく、ソーセージやハム、アイスクリームなども提供しています。どれも黒松内町や北海道産の新鮮な食材を使って、こだわって作った自信の逸品なんですよ。是非、たくさんの方々に食べていただきたいですね。
ホームページを拝見すると、トワ・ヴェールさんでは施設見学などもされているそう。情勢が落ち着き、暖かくなったら訪れてみたいです。お話ありがとうございました。(トワ・ヴェールさんのオンラインショップはこちら)
続いて、しあわせチーズ工房さんのブースへ。
今回コラボレーションさせていただいた「幸-sachi-」の特徴を教えてください。
しあわせチーズ工房は、放牧酪農が盛んな北海道足寄町茂喜登牛の山の上にあります。「幸-sachi-」は、無農薬・無化学肥料の牧草を食べ、星空の下で眠る、放牧酪農で育てられた「ありがとう牧場」の牛たちから搾った生乳を使い、昔ながらの銅釜で丁寧に作っています。1年を通して温度の安定した半地下の熟成庫で熟成しているのも特徴です。
青草の時期、5月から11月中旬頃までの放牧期間中に、朝搾りたての生乳を使って期間限定で作っているので、青草の香りや熟成した深い旨み、ミルク感、ナッツのような香ばしさも感じていただけるチーズです。
「JAPAN CHEESES AWARD2020」のグランプリを受賞されているんですね。見た目や味わいがコンテ(フランス原産のハードタイプチーズ)のようで、とても美味しいです!他にオススメのチーズはありますか?
「茂喜登牛-mokitoushi-」という工房の住所が名前のチーズもオススメです。ウォッシュタイプ(外皮を塩水や酒で洗いながら熟成させたチーズ)で、外側にエゾマツの木の皮を巻いて熟成させるので、食べたときにほんのりエゾマツの香りがします。熟成が進むと、チーズの内側がとろけるカスタードクリームのような柔らかさになり、旨みと香りが増して味わいも濃厚になるんです。
こちらはモンドール(フランス原産のウォッシュタイプチーズ、毎年8月15日から翌年の3月15日までの期間限定で生産され、チーズの真珠と称される)を参考にして、ここ足寄町茂喜登牛でしかつくれないチーズを通年作っています。
他にも、ヨーグルトや羊乳のチーズも作られているんですね。ノーストレスでのびのび暮らす「ありがとう牧場」の牛たちの生乳に、こだわりの製法。食べるとしあわせな気持ちになれそうです。お話ありがとうございました。(しあわせチーズ工房さんのオンラインショップはこちら)
「北海道地チーズ博2022」。チーズ工房さんそれぞれの想いやこだわりがギュッと詰まった北海道地チーズを満喫できたイベントでした。イベントは盛会のうちに終了しましたが、今月2月27日(日)までの間、渋谷ヒカリエのカフェ&レストラン(6F・7F)では北海道地チーズを使ったコラボメニューが楽しめるとのこと。
また、ホクレンさんのオンラインショップでは、北海道地チーズ博限定のアソートセットが期間限定・数量限定で販売されているそうです。よろしければ、チェックしてみてくださいね!
文/真鍋 順子