「PRESS BUTTER SAND」や「SOLES GAUFRETTE」など、バターの美味しさを活かしたスイーツブランドを手掛けるBAKE INC.。
今回のTHE BAKE MAGAZINEでは、スイーツづくりのマストアイテム『バター』に注目!
バターマニアとしてマスメディアにも登場し、現在BAKEのオンライン事業部ECチームでマネージャーを務める長尾絢乃さんに、バターの魅力やオススメのバター、バタースイーツを教えてもらいました。
バターって美味しいんですが、太りそうとか胃もたれしそうとか、何となく罪悪感もある魅惑的な存在ですよね(苦笑)
たしかに、一度に食べすぎるとね(笑)
バターは、生乳から分離させたクリームを撹拌し、その中に含まれる脂肪の粒を集め練り上げて作られます。100gのバターをつくるのに2.2リットルほどの生乳が使われるんですよ。すごく贅沢な存在ですよね。
バターの成分の約8割は乳脂肪ですが、乳脂肪は食用の油の中で最も消化が良く、吸収率は9割以上なんです。さらに、成長に欠かせない大切な栄養素で皮膚や粘膜を強くしてくれる「ビタミンA」が豊富に含まれているほか、カルシウムの吸収を促進する「ビタミンD」や老化を防ぐ「ビタミンE」も含まれています。
実は、バターって育ち盛りの子供にも、美容にもオススメなんですよ。
栄養がギュッと詰まっているんですね!バターにも種類ってあるんですか?
大きく分けると、乳酸菌で発酵させた「発酵バター」か発酵させていない通常のバター(非発酵バター)があります。発酵バターは、奥深い味わいや豊かな香りに特徴があるので、焼菓子を作るのにオススメですね。
また、食塩を加えた「有塩バター」、加えない「食塩不使用バター」があります。お菓子づくりの際は、塩の分量が違ってしまうため「食塩不使用バター」を使うのが一般的ですが、トーストに塗ったり調味料として使うときなどは「有塩バター」の方が使いやすいと思います。
日本ではバターは明治時代から作られるようになり、大手乳業メーカーから昔ながらの製法やその土地ならではの原材料とあわせて作る工房までさまざまです。バターに使われる生乳、生乳をつくり出す牛の育つ環境や餌、搾る季節などによって、バターの味や色の濃さが微妙に違うんですよ。広大な牧場で放牧されストレスなく育った牛の生乳から作られたバターは、やっぱり美味しいんです。
バターって面白いですね!長尾さんはこれまで、ご当地バターをはじめ150種類以上のバターを食べてきたそうですが、“推しバター”はありますか?
推しバター、たくさんありますよ!クラフトバターは、作っている工房さんによって個性があって面白いんです。
宮崎にある高千穂牧場で作られた「高千穂発酵バター」は、南九州産の新鮮な生乳と厳選された乳酸菌を使って、バッチ式メタルチャーンというヨーロッパの伝統製法で作られています。熟練の職人さんが作り上げた風味豊かな本格発酵バターで、爽やかでスッキリとした味わいが推しポイントですね。我が家では、バタートーストにも焼菓子づくりにもよく使っています。
北海道の豊富温泉川島旅館で作られている「とよとみフレーバーバター」もユニークでオススメ!旅館で作られるフレーバーバターって、それだけでも珍しいんですが、豊富町の広大な牧草地に放牧されストレスなく育てられた牛の生乳を使っているので味わいも格別です。北海道産の「鮭ぶし」や「利尻昆布」「ドライフルーツ」などを混ぜ合わせたフレーバー展開も面白くて、ご飯にも合うんです。
数あるバターの中で、優等生な存在はよつ葉乳業の「よつ葉バター」ですね。パンやお菓子を作る際に、原材料全てを上手く包み込み引き立ててくれるので、プロの料理人からも人気があります。北海道十勝産の生乳から作られ、ミルキーでコクのある味わいが特徴です。
この他、島で作られたご当地バターも好きですね。
新潟県佐渡島の「佐渡バター」は、佐渡島の牧場で育った生乳と海洋深層水から作った塩を使って作られています。コクのあるミルキーな味わいはまるで発酵バターのよう。
東京都八丈島の「八丈島ジャージーバター」は、八丈島ジャージー牛から搾ったフレッシュな生乳を使って手作りされています。ジャージー牛ならではの濃厚な美味しさが引き立つバターです。
本当に色んなバターがあるんですね。ところで、長尾さんがバターに魅了されたきっかけは何だったのでしょう?
子供の頃から動物が好きだったんです。進路を決めようと思ったときに「自分の好きなもの、好きなことって何だろう」と考え、畜産系の大学を選びました。学生時代に、牧場実習に行って搾りたての牛乳を飲ませてもらったときに、あまりの美味しさに衝撃を受けて。それ以来、乳製品にハマっていきましたね。
新卒で観光牧場に入り、アイスクリームなどの乳製品の製造開発に携わりました。ホルスタインやジャージーといった牛たちからとれる生乳で、こんなにもさまざまな乳製品ができるんだと、改めて感動しました。10年程勤務した後、主に製菓・製パンの材料を取り扱う株式会社富澤商店に入り、オンラインショップの運営を担当しました。
バターの品揃えが豊富ですごく人気があったので、元々乳製品が好きだったこともあり、専門知識を身に着けようと思ったんです。バターの専門家ってあまりいないので、ご縁もあってテレビ番組『マツコの知らない世界』(TBS)や『あさイチ』(NHK)などのマスメディアに出演させていただくなど、バターマニアとして活動させていただくようになりました。
そして、2021年7月にBAKEに入社しました。
ちなみに、バターマニアからみたBAKEのバタースイーツ、いかがですか?
入社前から「PRESS BUTTER SAND」は知っていて、初めて食べたときに、すごくBUTTERの香りが活きていて、ちゃんとバターをリスペクトしたお菓子だなぁと思いました(笑)はさみ焼きされたクッキーのサクッとした食感とトロッとしたクリーム、バターの風味と食感が同時に楽しめるのが魅力ですね。
「SOLES GAUFRETTE」は入社してから知ったんですが、実は、今イチオシのバタースイーツなんです。風味豊かな発酵バターを使用したもっちりとした生地の食感と、3種の砂糖をブレンドしたバタークリームのシャリシャリした食感がユニークなんですよね。バターの良いところを引き出した、バターを知っている人が作ったお菓子だなと思いました。
BAKEは、バターをリスペクトしたスイーツを作る会社なんですよね。だから入社を決めたと言っても過言ではないくらい(笑)
バターマニアならではの入社理由ですね(笑)長尾さん、ありがとうございました。
文/真鍋 順子
ベルギー産発酵バターと北海道産小麦粉を使い高温で一気に焼き上げた、香り高いバターの風味ともっちり食感が特徴のゴーフレット生地。「バターゴーフレット バニラ」には、生地の間に、3種の砂糖を使ったシャリっとした食感のバタークリームと、香り高いバニラビーンズと北海道産ミルクをじっくりと煮詰めたバニラミルクジャムをサンド。「バターゴーフレット キャラメル」には、バタークリームとほろ苦さとコクが魅力のビターキャラメルをはさみました。東京駅八重洲北口の「東京ギフトパレット店」や公式オンラインショップ「BAKE THE ONLINE」でお買い求めいただけます。