焼きたてカスタードアップルパイ専門店「RINGO」では、2020年11月2日より、株式会社エポック社のロングセラー玩具「シルバニアファミリー」とのコラボレーション第一弾がスタートします。
店頭には、RINGOの制服を着た大きなお人形「ショコラウサギのフレアちゃん」が登場するほか、秋の新商品「焼きたてカスタードマロンアップルパイ」の発売、限定パッケージやプレゼントなどもご用意しています。
今年でブランド誕生から35周年を迎えるシルバニアファミリー。世界70以上の国と地域で親しまれ、近年はSNSを中心に20〜30代の大人女子たちの間でも人気があります。
なぜ、シルバニアファミリーは世代や国境を越えて愛され続けるのか?
今回のTHE BAKE MAGAZINEでは、エポック社でシルバニアファミリーのブランディングを担当する米田さんにお話を伺いました。
35周年、おめでとうございます!1985年、日本でちょうどバブル景気が始まった頃、シルバニアファミリーが誕生したわけですが、どのようなきっかけだったのでしょう?
米田:ありがとうございます!エポック社の始まりは1958年。「野球盤」という男児向け玩具で創業しています。1975に国産第一号のテレビゲーム機「テレビテニス」を発表し人気が出ると、その後、玩具業界ではデジタルゲームが次々と登場していきました。
子供たちの遊びがデジタルゲームに移っていくなかで、玩具メーカーとして子供たちに何を届けられるのだろうか。これからの子どもたちの夢や希望を育めるような、あたたかみのある玩具を作りたい。そんな当時の時代背景と、創業者たちの想いから生まれたのがシルバニアファミリーです。
女児向けの玩具としては、シルバニアファミリーが初めてだったのですか?
米田:本格的な女児向けのシリーズという意味ではそうですね。ドールハウス遊びは、ヨーロッパでは文化として認められていましたが、当時の日本ではまだ馴染みのないものでした。創業メンバーは、子どもたちでも気軽に楽しめるものにしたいと発案しましたが、当初社内的には歓迎ムードではなかったと聞いています。ゲームの会社というイメージが強かったので…
会社として大きな挑戦だったのですね。シルバニアファミリーと言えば、家のドアや窓はもちろん、小さな緑色の家具の引き出しも開くし、食器は陶器製、ランプもつく…まるで本物のようで子供心にとても印象的でした。本当に住めると思えるほど!
米田:本物志向の緻密な作りやデザインは、当初からのこだわりなんですよ。初期の家具や人形の衣装は、アーリーアメリカンをイメージしてデザインされました。すぐに古くなってしまうその時代の流行ではなく、みんなが頭の中にぼんやりと思い描く、古き良き時代の素敵なものを見本にして、玩具でありながらあまり子供っぽくならないように作られました。
海外経験の豊富なメンバーが立ち上げに参加していたこともあり、発売翌年から海外進出をしています。
現在は何ヶ国で展開されていますか?
米田:70以上の国と地域で展開しています。欧米、アジアなどに自社販社をもっていて、国内でこれほど海外に流通できているブランドを持っている玩具メーカーは他にありません。
海外では、商品のローカライズをされていますか?
米田:パッケージなどにはアレンジを加えていますが、ベースは同じです。
人の姿ではなく“動物たちの家族”という製品の特性のおかげで、文化や人種の壁にとらわれることのない商品展開ができたのだと考えています。 現在では新商品を作る際に海外メンバーの意見を取り入れ、グローバル基準で開発しています。特に人種やジェンダー、文化の違いなど、国内メンバーだけでは気づきにくい感覚や視点もあります。こまやかな配慮をしながら多感な子供たちにバイアスをかけないよう心がけています。
世界観の作り方がほんとうに丁寧で細かいですね!
米田:細分化していくニーズに答える玩具づくりは、いっそう難しくなっています。シルバニアファミリーが多様性に配慮しているのは、どなたにでも気持ちよく遊んでいただけることを目指しているからです。子どもたちが遊んで「楽しい」と感じるのはもちろん、大人が見ても「本物だ」と感動してもらえるものを作っていきたいと思っています。
世界中で愛されるシルバニアファミリーの秘密が少しずつ見えてきたように思います。
ブランド立ち上げ2年目からファンクラブの組織がスタートし、「シルバニア通信」などを通じてファン向けの情報発信やコミュニケーションを大切にされていますよね。
米田:はい。「シルバニア通信」では、コアなファンの皆さま向けにオリジナルストーリーやお部屋づくりなどを紹介してきました。リアルイベントやコンテストを行うなど、時にはファンの皆さまとのダイレクトな交流も行ってきました。
お客様のコミュニケーションスタイルの変化にあわせて、最近ではオンラインショップをオープンしたりデジタルコンテンツを充実させたり、SNSを使ってより多くの皆さまにシルバニアファミリーの世界をお届けしています。
シルバニアファミリーでは、毎年さまざまなシリーズが誕生して商品ラインナップがかなり豊富ですよね。
米田:シルバニアファミリーは、「自然」「家族」「愛」というテーマに基づいて展開してきました。35年前に作り出したものをただ守るだけでなく、子どもたちの好みや生活スタイルの変化にあわせ時代とともに進化しているんですよ。
例えば、1985年発売当初は洗濯板とたらいのセットだったものが、洗濯機と脱水ローラー、二槽式洗濯機を経て、2011年にはドラム式洗濯機になっています。人形たちも、初期と比べるとより愛くるしい顔立ちに変わっています。
ブランドにとって印象的な進化があれば、教えてください。
米田:2011年に初めて乗用車が登場したのは印象的でしたね。「自然」をテーマに掲げていたため、工業製品である車がシルバニアファミリーの世界にあるか・ないか、何度も議論を重ねました。
結果的に乗用車の登場により家族でおでかけするシーンが生まれ、海やキャンプといった遊びの世界を広げるシリーズ展開にも繋がりました。男の子ユーザーが増えるきっかけにもなったんですよ。
商品ラインナップが次々と増え、作り手である御社も新しいメンバーが増えていくなかで、どのように「シルバニアらしさ」を守り、進化に繋げているのでしょうか。
米田:シルバニアの世界で良いこと・だめなことはブランド規定で定めています。一方で、ただルールに縛られるのではなく、チームで膝を突き合わせて話し合いながら「シルバニアらしさ」に挑戦しています。「らしさ」の言語化は難しいことですが、チームでものづくりに関わりながら醸成されていくものだと思います。
ずっと同じメンバーがシルバニアを企画しているわけではないので、若い社員や他の仕事に携わってきたメンバーが「新しいシルバニアらしさ」に挑戦したり、彼らの感性と既存のイメージを融合させて世界観を広げていくことに取り組んでいます。「お城のゆめいろゆうえんち」では、今までのカントリーテイストにはないパステルカラーが使われました。
ブランディングについてはどのように意思決定されていますか?ブランドマネージャーなどのポジションがあるのでしょうか。
米田:シルバニアファミリーの世界の原作者はエポック社で、特にブランドマネージャーというポジションはありません。担当する各メンバーが「シルバニアらしさ」とは何かを考え尽くし、話しあってベストアンサーを採用しています。
それが35年続く秘訣なのかもしれませんね。
米田:会社全体がシルバニアファミリーのように感じられます。シルバニア村の一員になって「こんなものがあったらいいな」「こういう遊びができるかな」と考えながら、みんなで夢を詰めこんでいるのかもしれません。
私たちBAKE Inc.にとって、今回のコラボレーションは進化といえる新しい取り組みです。RINGOとのコラボレーションの決め手を教えてください。
米田:りんごはシルバニアファミリーの世界でもよく出てくるおなじみのフルーツで、シルバニア村の豊かな実りの象徴的な存在です。さらにアップルパイは、シルバニアの世界との親和性も高いスイーツ。テーマカラーの赤も同じですし、お話を聞いてすぐご一緒したいと思いました。
RINGOさんの「とっておきを、みんなのものへ」というコンセプトに共感しましたし、何よりBAKEの担当者の方の熱量!シルバニアとRINGO、双方への愛を感じました。
子供の頃によく遊んでいたこともあって、私も今回のコラボレーションが本当に嬉しくて。
米田:ありがとうございます。35周年は「ーForever Your Familyーずっといっしょ ずっとかぞく。」というテーマを掲げています。ながれ去っていくものが多いこの時代に、親から子へ、親と子で、大人になってまたもう一度など、たくさんの方に楽しんでいただける特別な機会にできればと思います。
シルバニアファミリーとRINGOのコラボレーションを通して「日常のほっとするひととき」をお届けしてきたいです。本日はありがとうございました!
コラボレーション概要
特設サイト:https://ringo-applepie.com/collaborations/sylvanianfamilies/
実施店舗:RINGO国内全店舗
実施期間:第一弾 2020年11月2 日(月)〜、第二弾は2020年12月14日(月)〜情報公開予定ですのでお楽しみに。
※本コラボレーションでのノベルティアイテムや商品は数に限りがございます。無くなり次第終了となりますので、あらかじめご了承ください。
シルバニアファミリー
公式サイト:https://www.sylvanianfamilies.com/ja-jp/
35周年スペシャルサイト:https://sf35th.sylvanianfamilies.com/?l=ja-jp