そして2年前の夏、「BAKE CHEESE TART」が、はじめて海を超えました。
海外1号店である香港を皮切りに、タイ、台湾、韓国、シンガポール、上海、インドネシア、ベトナム……と、8つの国と地域に出店することができました。ありがたいことに、アジアを中心に世界各国からのお問い合わせも日に日に増えています。
現在は国内外あわせて60店舗以上を展開しているのですが、そのうち32店舗は、なんと海外にあるお店!(2017/12/21時点)
BAKE東京本社、海外事業推進本部のデスクからは、今日も日本語、英語、中国語……いろいろな言語が飛び交っています。
世界中にBAKEのお菓子を届けるために、まさに今、第二創業期を迎えているBAKEでは、どう今後の海外進出を描くのか。
実は、その要となるのは「台湾」なんです。
今回お話を聞いたのは、これまでのグローバル展開を推進してきた元・海外事業開発本部長の印牧正貴(かねまき まさたか)さん。
英語と中国語を駆使しながら、いつも日本と海外をいったり来たり、忙しそうに(そして、とても楽しそうに!)働いています。
お久しぶりです!なかなかオフィスで見かけないのですが、最近の出張はどこに行ってたんですか?
印牧:ちょうど先週まで台湾にいました。やっと12月にアップルパイの専門店「RINGO」海外1号店が台湾にできるので、その準備とかね。新たに「RAPL(ラプル)」と名付けられましたし、台湾のみなさんがどういう反応をくださるか楽しみです!
BAKE CHEESE TART、クロッカンシューザクザクに続いて、いよいよ「RINGO」……あらため「RAPL」が、海外初出店ですね!でも、どうして台湾に?
印牧:「RAPL」海外1号店のオープンに向けて、BAKEの台湾法人を設立したんですよ。香港、シンガポール、上海とあわせて、BAKE4つ目の海外法人設立になるのですが……その中でも台湾法人を、これからの海外展開のファーストステップに位置づけたいと思っています。
印牧:これまでは、各国でのフランチャイズのパートナーに協力してもらいながら、海外の新店舗をオープンしてきました。ただ、BAKE CHEESE TARTはもう8ヶ国に展開しているので、ある程度は僕たちも慣れてきたのですが、新ブランドのオープンとなると、乗り越える障壁が多く、時間がかかるのが課題でした。
実際、クロッカンシューザクザクの海外1号店をオープンするには、2年以上の時間がかかってしまいました。カスタードクリームを作るマシンの手配が、ボトルネックになってしまって。
そうなんですね。スピード感を大切にしているBAKEとしては、確かに2年は長いですね…。そこで、台湾ではフランチャイズ店を通してではなく、BAKEの海外法人が直接展開を進めていくことにした、と。
印牧:はい。これからのことを話すと、まず第一走者である日本でブランドを確立し、第二走者である台湾を経由して、第三走者である海外各国にバトンをつなぐ。
このスキームの中で、台湾に法人をおくことで「海外1号店」をスピーディーに推進し、海外展開を加速していきたいんです。
台湾は日本からも近いですし、親日家も多いと聞きます。海外1号店をあたたかく迎えてくれそうですね。
印牧:そうだといいですね。一方で「日本からきたお菓子」というだけでは手に取ってはもらえません。現地に長くいると、台湾のお客様が味や品質に対して厳しい目を持っていることを強く感じるんです。
たしかに、台湾には外食文化が根づいていますし、そもそも美味しいスイーツが多い国ですもんね。
印牧:そうなんです。でも、そんな市場だからこそ、挑戦しがいがあるんです。フランチャイズ店と協力するとなると、あまり無茶なトライはできませんが、直営であればリスクを取りながら、その国での最適解を試行錯誤していけます。
まずは食文化の豊かな台湾で、試行錯誤をしながらブランドのローカライズに成功すれば、他の国・地域への展開ももっとスムーズになると思います。
台湾で認められれば、他の国でも認められやすい、ということですね。ところで、今回の「RAPL」出店にあたっても、台湾ならではのローカライズがあるのでしょうか?
印牧:はい。まず、カスタードクリームが変わります。フレッシュな方がだんぜん美味しいので、カスタードクリームにはいつもの北海道産ではなく、台湾の牧場のプレミアムミルクをつかわせてもらうことになりました。
BAKEの”おいしさの三原則”にもある「よりフレッシュなものへのこだわり」ですね。
BAKEが大切にしている”おいしさの三原則” 「誰よりも手間を掛けること」 「誰よりも原材料にこだわること」 「最もフレッシュなタイミングでお召し上がりいただくこと」
印牧:はい。そして商品の原材料だけではなく、あらゆる面で少しずつローカライズさせていきます。
その国・地域のカルチャーにフィットする店舗デザインや季節のプロモーション、お客様とのコミュニケーションがいかに大切か……2年間の海外展開で、何度も痛感したんです。
文化が異なると、日本では想定できないような、びっくりするようなことが起こりますよね。確か2年ほど前のBAKE CHEESE TARTの海外出店では、工事が大幅に遅れたり、タルトが届かなかったり……というトラブルもあったと聞いています。
印牧:あぁ、懐かしい!バンコクでの、BAKE CHEESE TARTタイ1号店の時ですね。あの時は、本当に大変でした……でも、本当にたくさんの人に助けられて、なんとかなりました。
印牧:あと「文化の違い」といえば…台湾ではアップルパイは馴染みの薄いお菓子なんですよ。
え、そうなんですか!
印牧:そうなんです。そこでBAKEのアップルパイがどう受け入れられるのか……不安もありますが、それと同じくらい楽しみでもあります!
美食の国で、アップルパイというものがどう評価されるのか……ワクワクしますね。ちなみに、台湾法人のオフィスはどんな様子ですか?
印牧:シェアオフィスの一室を借りることになりました。東京のオフィスと比べるとずっと手狭ですが、共有スペースもあって、景色も良いんですよ。
わ、東京のオフィスと全然違いますね!なんだかBAKEの創業時のような雰囲気で、これからだ!という感じがします。
印牧:でしょう!ただ、今でこそ東京オフィスは立派になりましたが、私が2015年に面接を受けに行った頃は、自由が丘にあったBAKEの東京本社は工事中でボロボロ。ダンボールをかき分けて席に座ったんですよ。それも椅子じゃなくて木箱です(笑)。
設立2年目のBAKEには、海外事業部なんてまだ形もない状況でしたが、その全然整っていないスタートアップの空気に、開拓心をくすぐられました。
確か、1年前のインタビューでも、そうお話されてますよね。
・「ビジネスメールも、会議も、残業もいらない。世界1000店舗展開を目指す、BAKE海外進出の中心人物!」
印牧:はい。でもまさか、当時は台湾法人の代表を務めることになるとは、夢にも思っていませんでしたが……(笑)。でも今は、これからの可能性にワクワクしていますね。新しいブランドも仲間入りしますし、台湾からBAKEが展開する国や地域を広げていくこともできます。自信を持って世界中の人に本気で食べてほしい!と思える商品もあります。
ホップ・ステップ・ジャンプでいうところの、ホップは日本で、次のステップは台湾、そして次の東南アジアや中華エリアにバトンを渡していきたいですね。
僕たち台湾法人はBAKEの第二走者として、第一走者のスピードをそのままに、世界に向けて加速させていくのがミッションです。
印牧さんの言葉には、本当に熱量がありますね!これからがますます楽しみです。
印牧:いや、本当にやりがいがあるんですよ。海外の最前線で、0→1の環境に飛び込んで、「アクセルをガン!とふかしたい」という人にとって、これ以上楽しい仕事は他にはないかもしれない、と思うほどです。台湾で活躍したい、お菓子が大好きだ!という方はぜひ、お待ちしています!
インタビュー中、印牧さんの言葉のひとつひとつに熱量を感じました。これは2年間、BAKEのグローバル展開を先導してきたからこその説得力だと思います。BAKEのお菓子を日本から台湾へ、台湾から世界へ…….話を聞いているだけで、目にキラキラとした光が見えたのは、気のせいではないはず。
印牧さん1人から始まった海外事業部。今は台湾、シンガポール、上海という3つの拠点で海外法人を構えています。そこには、個性豊かで、様々な国籍やバックグラウンドを持った、30人のプレーヤーたちが活躍しています。
そして、素敵な未来のメンバーに、この記事が届きますように。
文:名和実咲(@miiko_nnn) 編集:塩谷舞(@ciotan) メンバー写真:平野太一(@yriica)
11月にできたばかりの台湾法人で、一緒に働くメンバーを募集しています!
BAKEには現在8ブランドありますが、海外に進出したのは3ブランドのみ。これからもたくさんの人にワクワクしてもらえる、新しいお菓子が誕生します。BAKEのお菓子をより速く、たくさんの人に届けるべく、台湾法人で活躍したいメンバーを募集します!
・ストアマネジャー ・ストアスーパーバイザー ・ブランドマネジャー ・マーケティング&コミュニケーション ・クリエイティブ ・設計/施工 ・HR ・経理
・中国語必須 ・英語か日本語必須 ・各ポジションでの2年以上の実務経験
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・ビジネスメールも、会議も、残業もいらない。世界1000店舗展開を目指す、BAKE海外進出の中心人物!