「日本一清潔」を目指す洋菓子メーカーの工場は、衛生管理っぷりがスゴかった

2015.07.30

クリーン田村さん

こんにちは!THE BAKE MAGAZINE編集長の塩谷です。上の写真は田村さん(28歳男性)です。

先日この記事でもご紹介した、北海道で地元の方々から愛される洋菓子屋さん、きのとや。そのキラキラとしたお店に掲げられている「3つの約束」を見て気になったのですが…

「おいしいお菓子」と「温かいおもてなし」よりも第一に、「安全・安心」が来ています。

「きのとや」白石本店 3つの約束
「きのとや」白石本店 3つの約束

“日本一清潔な工場・お店づくりをめざしています。“

「きのとや」白石本店
「きのとや」白石本店

「日本一を目指すぜ!」だなんて、本気じゃないと言えないです。それも社員向けの教育資料に書いてあるならまだしも、お客様に向かって「日本一」と掲げているのは、なかなか珍しいことではないでしょうか?

そこで、「日本一を目指す現場」とやらを調査するため……

工場にやって来ました!

株式会社きのとや 東苗穂本社工場
株式会社きのとや 東苗穂本社工場

塩谷舞「お邪魔しま〜す。取材させてくださ〜い!」

「衛生管理に関しては、私がご説明しましょう!」
林工場長

我々を迎えてくださったのは、現在きのとやの衛生管理を統括している林工場長。日本一清潔な工場を目指している中で、衛生管理の統括をしている方…。

もはや「ミスター衛生管理」と呼ぶに相応しいような林工場長のご案内により、いざ工場内に潜入です!

ここまでやるの?! 工場の製造室に入るまで

工場に着いたらすぐ、お着替えから。

田村さん

白衣をまとう、BAKEの田村さん。
来客用の専用白衣を貸していただきました。帽子、マスクをつけて、全身のホコリや髪の毛を、くまなくコロコロで取っていきます。白い長靴も貸していただきます。

そして、うがいをします。(うがいしている顔がすごかったので差し替えましたが、私です)

うがい

冷水機のようなものから出てくるのは水ではなく、うがい薬。口の中が、ボコボコに泡立ちます。

手順

製造室の入り口には、このように体を綺麗にするための手順が記してあります。

手洗い(爪)

手を洗うだけではなく、除菌された「爪ブラシ」で爪の間をゴシゴシ。これは、けっこうきもちいいです……。

この段階でもう「これでもか!」という程にキレイになったつもりなのですが、さらにそのまま、2面が自動扉の狭い部屋に通されます。何が起こるのかと思ったら……

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> ブフォッッ!!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

と爆風が吹き、全身の小さなホコリを飛ばしてくれました。なんだか、洗車されるようなイメージでした。

また、自分の健康状態、そして家族の健康状態に至るまで、入室前にしっかりチェック。多数あるチェック項目にひとつでも「×」があると、中に入ることは出来ません。

そうこうしているうちに、かなりの時間が経過してしまいました。「遅刻だ〜〜〜!」と、5分前に工場に来ていては、確実にここでタイムオーバーになってしまいます。

工場で働く方々は毎日、しっかりと身体を整えてから、この中に入っていくのです。が、

作業場の扉が開かない!!!

あれ、部外者だから? 顔認識?…と焦ったのですが、それは二重扉の1つめがまだ開いていたから。1つめのドアが閉まってから、2つめのドアが開きます。外のホコリなどを入れないような構造になっていたのです。

しかも。

工場の中は外よりも空気圧を高く設定し、外気(雑菌)の侵入を出来る限り防いでいるそうです。目には見えませんが、そんなことが出来るのですね…。

少人数のチーム編成で、一人ひとりの意識を高める

工場の中はこんな感じ。とても清潔感があります。

kinotoya-compressor

上記の動画は、BAKEで販売しているPICT CAKEの製造風景ですが、きのとやはデコレーションケーキ、ショートケーキ、クッキー、プリンなど、様々な洋菓子を販売しています。その洋菓子ごとに、細かくチームが分かれています。また、「包装」「出荷」「仕入れ」などのチームも。

どうして、そこまで細やかなチーム分けを行うのでしょうか? 林工場長に教えてもらいました。

「大手の洋菓子メーカーが機械で製造しているところでも、きのとやではパティシエが担っていることが多いんです。製造ラインに乗っていない手作業なので、一人ひとりの注意が不可欠。

ただ大人数で製造していると、小さな異物混入が誰のミスだかわらず、責任感も薄くなってしまう。

そのために、3〜5人程度の細かなチーム編成をし、リーダー・サブリーダーを任命。そしてチームごとに『お客様苦情ゼロ』を100日、200日、300日と達成していくミッションを掲げています。100日間達成できれば、そのチームはごほうびとしてケーキ券がもらえるんです。小さな取り組みですが、新人のパティシエも衛生管理意識を持つ、1つのきっかけになりますね」

——なるほど。100人の組織だとついボンヤリしてしまっても、3人だと背筋が伸びるというものです。

チームに属さない「ローラー部隊」がいる

工場で働いているるみなさんの元には、1時間に1回という頻度で「ローラー部隊」が登場し、衣服をコロコロで綺麗にしていくそうです。

帽子をかぶっていても、抜け毛は出てしまう可能性はあります。調べたところによると、人間の抜け毛は1日につき、男性は平均55本~250本、女性は47本~68本も抜けているそうです。

ローラー部隊は、そんな抜け毛をぬかりなくコロコロと回収していってくれます。

また、抜き打ちで衛生検査が行われることだってあります。こまめに変えてはいるものの、手袋や衣類に細菌が付着していないか、定期的に、そして徹底的に調査しているのです。

そして工場で働く方々は、定期的に検便をしているそうです。便は元気のバロメーターですね。

店舗から帰ってきてしまう、不良品たち

ここまで衛生管理についてお伝えしてきましたが、このような環境で清掃のプロフェッショナルを育て、林工場長をリーダーとした清掃集団として日々凌ぎを削っている……というわけではありません。そこで作られているのは、もちろん「安全・安心で美味しいお菓子」です。

「きのとや」白石本店
「きのとや」白石本店

丁寧に作られたケーキが、毎日工場から店舗に運ばれていきます。きのとやでは出来立ての鮮度を保つために、生菓子はなんと、1日5〜6便にも分けて工場から店舗へ配送されているそう。

でも、工場の片隅に「不良品」と書かれたケーキが並んでいました。

不良品

私の目にはあまり不良品には見えないのですが…。赤いイチゴが美味しそうなのですが……。

林工場長「僕たちは不良品のことを”晒し首”と呼んでいます」

さ、晒し首…!

工場出荷後の商品は、最終的に店舗のスタッフさんの目で1つ1つ入念にチェックされます。形は傾いていないか? いちごの白い部分が目立っていないか? クリームの絞りの形は美しいか? 重量は?焼き色は? …などなど、かなり入念にチェックされるお菓子たち。そこで不良品と判断されたものは、現場廃棄されるのではなく、こうして工場に戻ってくるのです。

この「晒し首」にも意味があります。

不良品が発生したこと、そして改善方法をしっかりみんなで共有すること。そして、「不良品を出さないようにしよう!」という意識をしっかり促進すること。

そんな説明を聞きながら「これは誰かが食べるのかな…?」ということばかりが、気になってしまったのでした。(が、廃棄処分されるとのことです…)

「ケーキづくり」よりも大事な「環境づくり」

林工場長は、私たちにこう教えてくれました。

林工場長「誰しも、まず商品を作ることを優先してしまうんです。でも違う。まずは環境を作っていく。そうしてやっと、商品を作る条件が整うんですよ。どうか覚えておいてください。

衛生管理は永遠のテーマです。”これでいい”という経験は、未だかつてしたことがない。絶対に課題はなくなることはないから、徹底的に意識し、改善し続けるしかないんです」

ーー美味しいお菓子を作ること。でもその前に、安全・安心があること。そんな「きのとや」の姿勢を、色んな場を通して、しっかりと伝えていただきました。

塩谷舞「勉強になりました…!記念に爪の垢をいただきたいです」

林工場長「やめてください」

塩谷舞「冗談です…」

実は私たちBAKEが販売しているPICT CAKEは、ここ「きのとや」の工場で生まれ、厳しいチェクを通過し、お客様の元に届けられています。

美味しいお菓子を、安全・安心に味わっていただきたい。

「きのとや」のそんな真摯な思いが、今日もPICT CAKEと一緒に、全国各地に配送されています。

Text by 塩谷 舞( @ciotan

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