スタートアップで働くと刺激的だ!という印象をもたれる方も多いのではないでしょうか?
「Airbnbで宿泊しに来たつもりが、エンジニアとして働くことになりました」 「面接に来たら、周りはダンボールだらけで、椅子ではなく木の箱に座らされたんです」
ほんの2、3年前にBAKEに入社した人はそう語るのですが、2017年現在のオフィスはこんなにも立派になりました。
私自身は8ヶ月前に入社したのですが、スタートアップだと思って転職した場所がみるみるうちに「会社」らしいカタチになっていく様子は驚きです。 気がつけば、「お菓子屋さんのスタートアップ」という言葉を使うことも減っていました。いつまでもその名前でいられない、という経営陣たちの気持ちもあるそうです。
組織やチームのあり方はどんどん変わっていくけれど、所属する人たちの個性は変わりません。(特にBAKEは主張の強い人が多い!)
スタートアップに集まってきた仲間たちと、どうやって、次のステージに向かうのか。「日本を代表する製菓企業」を目指して、どんな組織になっていくのか? そんなギモンを投げかけてみました。聞き手はわたくしインハウスエディターの名和実咲(@miiko_nnn)です。
ーー私は「お菓子のスタートアップカンパニー」と打ち出していたBAKEがすごく印象的で転職したんですが、最近お店やブランドも増えて、オフィスも立派になり、とっても会社らしくなってきたなと感じていて。
三宅:本当に。僕が入社した頃はアパートの一室がオフィスだったから、劇的に変わりましたね。
ーーらしいですね。三宅さんは元銀行マンで、財務担当としてBAKEにジョインされたんですよね?
三宅:そうなんだけど、最初1ヶ月くらいはお店でチーズタルトを焼いたり、店頭でお客様対応をしたり、かと思えば「ピクトケーキが大変だ、手伝ってくれ!」と、電話に張り付いてカスタマーセンターと化したり。もはや財務に全然関係ないんだけど、もうとにかくやるしかない。(笑)
ーー守備範囲広すぎませんか…。
三宅:良く言えばね。当時のオフィスにはまだ、代表の真太郎さん、北海道から手伝いに来た田村さん、そして数名のアルバイトスタッフしかいなかったから、SNSの更新なんかも含めて、オフィスに転がってる業務はなんでもやってた。2014年の冬ぐらいかな。
ーーおお…。「騙された!」とは思わなかったんですか。「財務担当じゃないなら、岡山帰りてえ!」みたいな。
三宅:とにかく色々やらされるな〜と思いながらも、本当に毎日がめまぐるしく過ぎていくんですよ。まぁ、楽しかったんですよね。
ーーむちゃくちゃスタートアップっぽいし、三宅さんがポジティブすぎる!
三宅:もともとスタートアップに興味があったからね。学生時代の友人が起業して、1年くらいで状況がかわっていくダイナミックさを目の当たりにしたこともあったし。
ーー春山さんは、もともとご自分で立ち上げたスタートアップのCEOでもあったんですよね。そんなキャリアを経てBAKEに入社された時は、どう思いました?
春山:一つのチームって感じではあるんだけど、とにかく「個」が強いなと思ったんですよ。
ーーお、なんかいい感じですね。
春山:はい。それぞれ能力があり、才能があって、いい感じなんです。いい感じなんですけど……いざ会議するとなると、ほんとうに各々の主張が強い! なのでずっと議論が平行線を辿ってる。
ーー全員がルール違うゲームを、ルールなしで始めちゃったみたいな状況だ……。
春山:そんな感じ。メンバーの「個」は強くて力があるのに、このままだとマズイなと。物の流れ、人の流れ、情報の流れを整理する、効率よく仕事するためのチームストラクチャーをはじめました。
ーー「個」が強い人があつまってるからこそ、組織として機能するって難しい側面もあるのでしょうか?
春山:いや、個性が強いぶんだけ、本音でぶつかりやすい、ということもあります。影で批判を言うのではなく、ミーティングで「反対意見や納得できないこと、全部本音はここで言い合おう!」というスタンスですね。ただそれと同じ数だけ提案もする、というのを繰り返しています。
ーー確かに海外スタッフも多いですし、回りくどいことはあまりせず、いつもストレートに話しますよね。バックグラウンドも様々で国際色豊かになってきたBAKEですが、組織として整ってきた、と思われますか?
春山:まだこれからじゃないかな。三宅さんはずっとBAKEの変化を体感してきて、どうです?
三宅:それでも、2015年くらいから見える景色が少し変わったんだよね。それから人も増えて、自由が丘のオフィスもすぐ手いっぱいになって。
春山:会社が大きくなるのと、三宅さんの体重が増えるの多分おなじくらいの比率だね。
一同:(笑)
三宅:増えましたね〜。って、真面目な話に戻すと、今は、より「組織で戦う」ってことが鮮明になったというか、カタチになってきたのかも。
ーー何か転機になった出来事があったんですか?
三宅:西尾さんが入ったぐらいに、うまく言えないけど、変化を感じたな。
ーー出た!副社長!
ーー西尾さんはこれまで、誰もが知っている上場企業の取締役もされていたわけで。そこからまだまだ小さなBAKEに入社されて、第一印象はいかがでしたか?
西尾:そうですね。本当にいいブランドがあってポテンシャルが高い。しかし、なかなか、やり甲斐のある状況だぞ、と……。
ーーあれ、むちゃくちゃ言葉を選んでいますね。
三宅:選んでますね〜。
春山:ちゃんと本音で喋ってください(笑)!
西尾:OKです(笑)。春山さんの言うとおり、BAKEには「私は、こうしたいです!私の意見は…」と、前向きに意見を投げかける人が多いんです。
一人ひとりの考えもすごく大事なんだけど、組織全体で見てみると「的」を絞る、ということが重要で。BAKEでいうと柱になるのは「お菓子を、進化させる」というステートメントですね。
ーーしっかり背骨を通しましょう、と。
西尾:そう。全体にある仕事を整理しながら、各部門のミッションに落としていく。それを正しく目標設定して頑張っていけば、BAKEのステートメントである「お菓子を、進化させる」ことに必ず繋がっていきますからね。
ーー私は西尾さんが入った直後に入社したのですが、実は、ずっと昔からいる人なのかな? と思っていて。社内のメンバーに聞くと「ミクシィで取締役をやっていた人が、経営者として入社する!」とみんなドキドキしていたそうなのですが、入ってすぐに馴染んでらっしゃいますよね…?!
三宅:そういえば、ぼくもドキドキしてましたよ(笑)。
西尾:馴染むというか、みんなが主役になるような組織であり続けられるといいなぁ、と。ぞれぞれ役割があって、責任を持っていて、誰を見ても、日々ドラマがあると思う。どうせ働くなら楽しくエキサイティングに働けて、明日また職場行こうって思えるような場所がいい。それって、全員が「自分にスポットライトがあたっている」と感じられるかが大事だと思っていて。
ーーエキサイティングで、ドラマがあって、スポットライトがあたっている…。最近少しずつ感じる仕事の楽しさってそれかもしれません。海外事業部で働くケリーさんのインタビューなんて、まさにドラマだ!と思いましたし。
西尾:そう、そのドラマをしっかり感じてもらえるために、お膳立てするのが自分の仕事かな。自分が点をとりますっていうよりは、パスを供給し続けたい、みたいな。
ーーゴールを決めるのはメンバーだ、と。
西尾:僕は目立つのが好きじゃない(笑)。みんなにスポットライトが当たってるのが嬉しいんですよ。
ーーこれまでに仲間もブランドも増えていきましたが、今後はどんな組織づくりを進めていくのでしょうか?
西尾:可能な限り少数精鋭。大変だと思うけど、ただ人を増やしていくより、今のメンバーがもっともっと活躍できるような環境を整備したいですね。
ーーう〜ん、結構大変ですよね。だって、事業規模は大きくなるけど、人は今までのように増えない。
西尾:「誘因と動因」という経営学の言葉があって、知ってるかな?
ーー? やさしく、詳しく、お願いします。
西尾:モチベーションを動かす因子は大きく2つに分かれていて。まず動因というのは「自分がどうしたいか」という因子で、誘因というのはもう少し表面的な、たとえば「テストで100点とったらお小遣いがもらえるから頑張ろう」といったものですね。
BAKEには意志の強い人たちが集まっているので、「動因の組織づくり」がキーになる。もちろん誘因を軽視しているわけじゃないけど、それだけでひっぱる組織にしたくない。
西尾:困難な状況でも、個人の「こうしたい!」という気持ちが仕事に跳ね返ってくると、会社が成長するパワーになる。内側から湧き上がる成長意欲ってすごく強いですから。
そういう気持ちを引き出せれば一人ひとりのパフォーマンスが今以上になるはずだし、みんなにスポットライトが当たっていく。最初から少数精鋭で筋肉質な組織を目指しているのではなくて、個々人の力を発揮していった結果として、そうなっていくんじゃないかなと思います。
春山:それはもう個性の強い人ばかりですから、その個性を活かした組織づくりの真っ最中ですね。
ーー少数精鋭で筋肉質な組織かぁ。体力勝負という意味ではなくて、例えば私だったら文章や写真のスキルをベースに「こうしたい!」をどんどんこのTHE BAKE MAGAZINEでカタチにしていくような…。
西尾:うんうん。「BAKEで働いてるのすごいね」って言われるような、入社するのが大変な会社になるといいな。新しく入ってきてもらう方には期待したいし、大事にしていきたい。そういう時って質が上がってる状態、つまり筋肉質な状態だと思うんだよね。
ーーみなさんは、これからBAKEをどんな会社に育てていきたいですか?
三宅:一過性のブームで終わるのではなく、世の中にちゃんと浸透して、人に受け入れられる、長く続く会社になるといいな。もし業態が変化していっても、たくさんの人に「BAKEが好きだよ」と言ってもらえるようにしたい。
西尾:すごく同意。あえて違う切り口で話すと、本質に向き合い続けたいし、本質を問い続けたいですね。素直に「お菓子を、進化させる」というステートメントに対して向き合い続けるような経営をしていきたいし、そういうメンバーと働きたいな。BAKEに沿わないことをやる必要はない。
ーー沿わないこと、というのは?
西尾:味を妥協して店舗数増やすようなことは絶対しない。なぜならお菓子屋だから。でも基本的に「スピード感」と「成長」はかなり重要視してる。進化させたお菓子を、より速く、より多くの人に届けたいっていうのは、代表の真太郎さんも僕もすごく思っていて。
ーーお菓子というのは世界中にマーケットがありますもんね。
春山:そうですね。それに、グローバルな人材が経営幹部に入って来て欲しいですね。僕は海外のBAKE法人も見ていますが、海外との情報伝達ももっとスピードを上げていきたいし、経営会議も英語でやってもいいと思っていますよ。
三宅・西尾:あーー、それはちょっと訓練しなきゃ(笑)。
ーー業務に必要すぎるので、いま社内で英会話…というか外国語学習ブームが起きてますよね。
春山:あとは、グローバルを知っている人を西尾さんの近くにおける環境になるといいね。格段にスピードアップするし、僕はそういう状況をサポートする。
西尾:絶対そう思う!私のそばでグローバル展開を助けて頂ける方、お待ちしています!
対談を終えて、転職の面接時に「仕事を通してずっとワクワクしていたい、1年後にいい意味で想像を超える環境にいたい」と話していたのを、ふと思い出しました。スタートアップから会社らしい組織にフェーズがシフトし、新しい景色が見えてくる、そしてまた新しいフェーズに……と、より刺激的な環境をつくっていくのは、やはりBAKEの”人”なのだなぁと、感じました。
そして現在、これからのBAKEをつくっていくメンバーを募集しています。
「お菓子を、進化させる」をステートメントに、より速く、より多くの人にBAKEのお菓子をより多くの人に届けるべく、新たなポジションの募集を開始しました。
◯財務マネージャー ◯労務担当 ◯海外店舗スーパーバイザー ◯海外店舗フランチャイズのマネージャー候補
募集職種はWantedlyにて随時更新しています!
・社内コンペも開催したので、その応募案も公開します! BAKE CHEESE TARTの新デザインが出来るまで ・たった1年半で、海外に20店舗以上オープンしているBAKE Inc.のお店。最前線で開拓してるのはこの女性! ・「BAKEの新店オープン!」…の舞台裏を大公開。社内ではこんな人が働き、こんなメールが行き交っています! 執筆:名和実咲(@miiko_nnn) 編集:塩谷舞(@ciotan)・池田彩花 撮影:yansuKIM(@yansukim)※オフィス内観写真除く