初めまして!THE BAKE MAGAZINEでインターンをしております樽見です。 5月終わりから編集長の塩谷さんを追いかけてBAKEにジョインしました(言ってみたかった)。 THE BAKE MAGAZINEでお手伝いをはじめてから早一ヶ月。 私の好きな「クロッカンシュー ザクザクについてもっと知りたい!」というお願いを塩谷編集長にしたところ、はじめてインタビューをさせてもらうことになりました!
ザクザクをはじめ、BAKEの店舗ブランディングやパッケージデザインなどを手がけるクリエイティブプランナーの貞清誠治さんに、「ザクザク」ブランディングの舞台裏についてお伺いしました。
ークロッカンシュー ザクザクは、親会社である「きのとや」さんで販売している商品だったんですよね。それを東京で展開していくことになったとき、どんな工夫をされていましたか? 貞清:きのとやではショーケースに並んでいる商品のなかのひとつで、いかにも洋菓子屋さんのお菓子という見え方でした。
そのザクザクを、東京で展開する「お菓子のスタートアップ」として、いかにカジュアルに伝えていくかということを意識しました。 東京最初のご縁が新宿ルミネエストさんということもあって、若年層をターゲットにした元気なブランドイメージを目指しました。ザクザクという名前をカタカナにして展開したいと真太郎さんが決めていたのもそういった狙いからです。
そしてザクザクの魅力は、その名の通り焼きたてを食べたときの「ザクザク」とした食感。焼きたてをすぐ食べてもらえるように、「食べ歩き」用にひとつずつパッケージングしたり。 初期のパッケージデザインは三角のチップを集めてみたりちょっとしたクレイジー感を出して、上品すぎないようにしました。洋菓子屋さんであること以上に、私たちはスタートアップだということを意識して元気な見え方のデザインを考えました。
ーきのとやさんで販売されているザクザクのイメージと180度くらい変わりますね!でも、青色は食欲減退の効果があると言われています。あえてザクザクのテーマカラーにしたのはなぜでしょうか? 貞清:一般的に「おいしそう」を追求すると行き着くのは暖色系で、どのお菓子も茶色系がしっくりくるんです。でも、BAKEは「他と違う」ということを最優先する会社です。
スイーツのパッケージに青色を使うことは珍しいですが、牛乳のパッケージには白や水色や黒が圧倒的に多くありました。そして、ザクザクの魅力は、北海道産のフレッシュな牛乳をふんだんに使用していること。「新しさ」と「乳製品らしさ」を考えて、白・水色・黒の三色をイメージカラーに決定しました。
ー店舗のデザインには、どんなこだわりがありますか? 貞清:一般的に食にまつわる業界は海外にありそうなお店の雰囲気だったりと、非日常を演出する為に具象的な表現をする事が多いと思います。 でもBAKEではその常識が当てはまらないと思いました。ザクザクのお話から逸れますが、BAKE自由が丘店では具象的でないデザインを得意とするデザイナーさんを何名かリサーチし、真太郎さんに関祐介君を提案しました。たまたまですが、関君の手がけたお店に、真太郎さんの大好きだったお店があり、即決。そこから「お菓子のスタートアップBAKE」らしいお店づくりがはじまりました。
そして「工場で食べる出来立てのお菓子が一番美味しい」というのが、代表・真太郎さんの意見。その体験を伝えるために、どの店舗も工場らしさを演出しています。 BAKE自由が丘店の設計を経験して、会社としての店舗表現の在り方が定まったと感じています。 また、各店舗のデザインはあえて雰囲気を変えています。 「地域の人から選ばれる街のスイーツ屋さん」というのは、大切な要素であると考えていて。「今日も来てくれてありがとう」とお話できるような、地域に密着した長い商売をやっていくのが理想です。ですから、単純にチェーン展開するのではなく、地域、その町の人たちによって最適な形を考えています。 ー2015年5月にオープンしたザクザク原宿店は、ザクザクのアイデンティティを象徴とするフラッグショップだと伺いしました。
貞清:そうですね。ザクザクのフラッグショップ的な意味合いを込めて、新宿店よりも強い個性を表現しました。 カラフルなお店がひしめく場所を逆手に取って、あえて「黒」をメインにつくりました。でもモードすぎでもいけない。「こどもシャネル」という裏テーマを設定して、キャッチ―さやガーリーさを融合させ、そこに基本の考え方である「工場らしさ」もプラスしたのが原宿店です。 ここはデザイナーさんではなく、井上隆夫さんというアーティストさんにお願いしました。アクリルと光をテーマにした作品を手がける作家さんで、普段はシネマトグラファー、ライティングデザイナー、と幅広く活躍されている方です。
あの場所でBAKEらしさをどう展開するか?を考えていた中、井上さんの作品を思い出しました。初めて井上さんの作品見たときの「すごい!キレイ!何だこりゃ!」という驚きを伝えられればと。イレギュラーな形ですが、間にインテリアデザイナーさんにも入っていただいて店舗を創っていきました。
ーお菓子屋さんらしくないものを創る貞清さんですが、BAKEに入る前はどんなことをしていたんですか? 貞清:美大を中退したあと、アパレル業界で店舗デザイン部署や合同展示会事業に携わっていました。その後、飲食業界では店舗企画開発部や管理職を経て、飲食店を主にフリーランスの何でも屋さんになりました。 BAKEに入ったのは美大の仲間であるユキさんから突然「なにやってんの?」と言われて。そして「ウチって洋菓子屋さんで、弟がスイーツ屋やってるんだけど、話聞いてやってくんない?」と言い残して、次の日にユキさんはNYへ旅立っていきました。。 それが新宿店オープンの二ヶ月前です(笑)。(ユキさんがNYから帰国し、BAKEのアートディレクターになるまでのストーリーはこちら) そこで店舗やパッケージのデザインに携わるようになり、今はクリエイティブプランナーとして何でもやらせてもらっています。 私はもともとアパレル業界で働いていましたが、そこにはデザインへの感度の高さやアタッシュドプレスというPR、ブランディング戦略など、飲食業界が学ぶべきことがたくさんあると思うんです。ザクザクは「美味しいスイーツ+デザイン+PR」で、行列の絶えない人気商品になりました。 飲食業界は、デザインやPRなどが二の次になってしまうことが多いです。でも、お菓子のスタートアップとしてBAKEはそこを切り開いていきたいし、その経緯をこうして自社のメディアで伝えられることは、良いことですね(笑)。僕が携わって1年ですが、良い成長をしてきたなぁと思います。 ーありがとうございました!
・美大を卒業して、制作会社で働くか、メーカーのインハウスデザイナーになるか、それともフリーランスになるか? ・株式会社BAKE 採用情報 ・株式会社BAKE Facebook ・クロッカンシュー ザクザク
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— 株式会社BAKE (@bake_jp) 2016年6月2日