2016.01.22

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【お菓子×科学】お菓子をおいしいと感じる理由って?原材料と食感の関係は?理系のインターン樽見が調査しました!

【お菓子×科学】お菓子をおいしいと感じる理由って?原材料と食感の関係は?理系のインターン樽見が調査しました!

2016.01.22

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クッキー こんにちは!インターンの樽見です。 普段は理工学部に通っている大学3年生です。 専攻している化学的技術などを用いて、いろんなことを分析してみたいし、それをもっと広く伝えたい! と思い、発信するお仕事に興味を持ちました。 そのタイミングで「お菓子にもっと新しい価値を」というミッションを掲げるBAKEに出会いました。現在実践している「新しい価値」には、デザインやインターネット、マーケティングなどがあるそう。さらには「科学的なアプローチでもっとお菓子を美味しくする」という構想もあり、お菓子に加えて科学をはじめとしたテクノロジーが好きな私は、そのままジョイン(2015年5月)! 現在は、主に THE BAKE MAGAZINEで記事を書いています。 そして夏休みに入る直前、THE BAKE MAGAZNEなどをまとめている阿座上さんから、「なにかテーマを決めて、パワー・ブレックファストで発表してみるのはどうかな?」という任務をいただけました。パワー・ブレックファストというのは、BAKEが毎週火曜日の就業前に開催している朝会で、それぞれが得意分野をスピーチしたりしています。 樽見 この機会に私が調査したのは「人が脳で感じる美味しさの原因」と、もうちょっと深堀した「原料がもたらすサクサク食感の違い」という2つのテーマです。研究室で学んでいることとは少し異なるのですが、個人的にも興味があったので調べてみました。 その発表内容をここでも共有できたらな、と思います!

【考察1】「美味しい!」を決定づけるものは何?

唐突ですが、好きな食べ物はなんですか? その食べ物を好きな理由はなんでしょう? 「味が好きだから」というのはもちろんですが、「食べるとなんとなく元気がでるから!」「有名店のものだから!」「好きな人が作ってくれたから!」 色々な理由があると思います。 実は、様々な要素があわさって生まれる「美味しい」という感情。一体、どんな要因から湧き出てくるのでしょう? 手前味噌ですが、私はBAKEのチーズタルトが好きで、美味しく感じています。 チーズタルト 皆さんご存じかとは思いますが、人は舌にある「味蕾」という細胞で味を感じ取っています。

九州工業大学大学院 吉井研究室Webサイトより(http://www.brain.kyutech.ac.jp/~yoshii/)
九州工業大学大学院 吉井研究室Webサイトより(http://www.brain.kyutech.ac.jp/~yoshii/)

健康Saladより(http://www.k-salad.com/sick/feature_c/014_1.shtml)
健康Saladより(http://www.k-salad.com/sick/feature_c/014_1.shtml)

この「味蕾」で感じる味の良し悪しはもちろんですが、食べる人がおかれている環境や感情によっても「美味しさ」は異なるそうです。これは経験的に感じている人もたくさんいらっしゃると思います。 「美味しさ」がつくられる主な要因として挙げられるのは、知覚的要因、要求的要因、認知的要因の3つ。 おいしさの三要素 今回は、その中の認知的要因に関する実験をご紹介します!

「心理学から見た食と健康」(今田純雄) より ワインを用いた実験

大学生を中心とする若い被験者を対象としたその実験内容は、二本のワインを飲み比べてもらうものです。 一本のワインは、とても有名なワインの産地である「カリフォルニア産」のもの。もう一方のワインは、あまり産地としては有名でない「ノースダコタ産」のものです。 ワイン 結果は「カリフォルニア産」のワインの方が、圧倒的に評価が高かったそうです。 これは、カリフォルニアのメーカーが、ワインづくりのノウハウを知っていたからでしょうか? ノースダコタ産のワインは、熟成度がまだ足りなかったのでしょうか? 実はこの二本のワイン、中身は全く同じものでした。同じワインに「カリフォルニア産」「ノースダコタ産」という違うラベルを貼っただけの実験です。 カリフォルニアラベルのワインを飲む前には「きっと美味しいだろう」というポジティブなイメージが。ノースダコタラベルのワインを飲む前には「きっと大したことないだろうな」というネガティブなイメージが働きます。 その被験者自身のイメージが、同じ内容物のワインでも「カリフォルニアラベル方が美味しい」という結果を生み出したという報告がありました。 そしてこれは、「ブランドイメージが美味しさに直結する」という事実である、ともいえるのではないでしょうか。 こちらのスライドでは、認知的要因に加えて、知覚的要因、欲求的要因についてもご紹介しています!

【考察2】原料の配合量で、食感はどう変化する?

繰り返しになりますが、「美味しさ」がつくられる主な要因として挙げられるのは、知覚的要因、要求的要因、認知的要因の3つ。 おいしさの三要素 次に「知覚的要因」について考えてみます。 知覚的要因の中でも「もっちり」「サクサク」などの「食感」は、ダイレクトに感じる「美味しさ」のうちのひとつですよね! BAKEのチーズタルトは、チーズ部分はふわトロなのですが、焼き立てのタルト生地(クッキー部分)はザクザク。個人的には、そのザクザクしたクッキー部分が大好きです。 BAKEのチーズタルトの作り方は企業秘密です! が、ザクザクとしたクッキーは、どんな配合量で作られているんだろう? 調べてみたところ、ある一定条件下では、最適とされる原料の比率があるようです。 私が参考にした文献(「クッキーの原料配合比と食味の関係について」川染 節江ら 、「クッキーの圧縮破断特性」倉賀野 妙子ら )によると、代表的な原料の一部である「バター、砂糖、卵」が、食感に関係するのだそう。 sugar さらに、その「バター、砂糖、卵」のそれぞれの分量を変えていくと、どんな食感のクッキーができるのか? 下でご紹介しているグラフは「バター、砂糖、卵」の分量を少しずつ変えて作った9種類のクッキーの割れやすさを比較したグラフです。 ※参考にした文献が麦粉量も変えて実験を行っていたのですが、特別大きな結果は得られなかったので今回の考察内には含みません。 食感まとめ 数値が高いグラフは大きな力をかけて割れる硬いクッキーであり、数値が小さいグラフは少ない力でも砕けるほろほろとしたもろいクッキーとなります。 注目していただきたいのは、左から二番目のクッキー(砂糖が一番多い)!とびぬけて高いグラフになりました。 それに次ぐ形で左から三番目のクッキー(卵が一番多い)も高いグラフが現れました。 それぞれ、とても硬くなってしまいました。 一方、一番左のクッキー(バターが一番多い)は、極めて小さいグラフ。とてももろくて柔らかいクッキーだと言えます。 何事も欲張りすぎると良いものにはならないのですね……! こちらのスライドでは、さらに詳しくご紹介させていただいています。

まとめ

勉強させていただいている身なので個人的な目標にはなりますが、本格的に勉強してゆくゆくはBAKEのお菓子を更においしく改良していけたらなと思っています。 今はまず目標を達成するためにも、大学の勉強もBAKEでのお仕事も真剣に取り組みます。 BAKEは今後、おいしさを研究する「ラボ」が立ちあがる予定だそうなので、私も関わっていきたいです。 またなにか進展がありましたらこのTHE BAKE MAGAZINE内でご紹介します! Text by 樽見 祐佳

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