こんにちは!インターンの樽見です。 BAKEではたらく先輩社員を紹介するシリーズ。今回ご紹介するのは、大手商社からBAKEへ転職した中西克彦さん。1986年に北海道・小樽で生まれ、大自然に囲まれて育ったそうです。 現在はBAKE人事部のリーダーとして活躍中。一方で1週間の北海道・農家研修に行って搾乳をしたりと、BAKE内でも異色な働き方をされています! 商社を辞めてBAKEにやってきて、牧場に…!? と、不思議なキャリアを歩む中西さんに、お話を伺いました!
ーー中西さんは新卒で、総合商社に勤めていたんですよね。どうして商社を選んだのでしょうか? 中西: 元々私は、地元を盛り上げたいという気持ちがずっとありました。 北海道の小樽市に生まれたのですが、運河の街並みがあってとても雰囲気が良く、人気の観光地でした。でも一本道を外れれば、閑散としているところもあり、仕事も少ない。だから地元の同世代が札幌や道外にどんどん出て、戻って来なくなります。そうすると、もっと閑散としてしまう。私の中の原風景が失われていくことは悲しくて、なんとかしたいと思っていました。 また土地柄、子どもの頃から酪農などにも興味がありました。でも、大きくなって農業の仕組みを知ると、課題がたくさんあると感じました。北海道には広大な土地があって、そこで農業が出来るのに、農業従事者の所得が低く、他の仕事をするため道外に出て行ってしまう。そんなケースが多いように感じました。 「北海道には仕事がないから出て行く」のではなくて、農業の利率が低いから、出ていかざるをえない側面がありました。その仕組みを改善して、地元を守っていくためには、消費者との関わり方を変えなければいけないと考えました。 ーー消費者との関わりとは? 中西:通常、農作物は農協などの組織を通して販売されます。農協があることで農家の方は安定的に作物を買ってもらうことができますが、高い利益率は期待できません。 学生の頃、こだわりのある農家さんと一緒に街で野菜を売る経験をしたことがありましたが、そこで販売されていた野菜はスーパーで売られている野菜よりも味がしっかりしていてとても美味しいと感じました。ただ、そうしたこだわりの野菜は販路が整備されておらず、作っても売るのが難しいという課題がありました。そこで、生産者と消費者を直で繋ぐことが出来れば、生産者ももっと多くの利益を得られる。そんな仕事に興味を持ったんです。 ーーそんな希望を持って、商社に行かれたんですね。 中西:はい。大学生の時は、総合商社は農業のこと、流通のこと、なんでも出来るイメージがあったんですよね。
ーー実際に入社してみて、いかがでしたか? 中西:入社前に思い描いていたような仕事は、出来ませんでしたね。僕が配属されたのは、希望していた営業ではなく、人事部でした。会社を支えるバックオフィスの部署です。 ただ、まずは配属された部署での仕事をしっかりやっていこうと前向きな気持ちで取り組んでいました。 人事の仕事は地味ですが、社員が働く上で会社にはなくてはならない仕事です。2年、3年と人事を続ける中で徐々に自分の中にやりがいも出てきて、楽しさも感じ始めていました。 ーーそんな中、BAKEへ転職されたんですよね。転職活動をしていたんですか? 中西:社会人になって5年が過ぎ、「このままで良いのか」と迷いを感じていました。でも、具体的な転職活動をしている訳じゃなかった。そんな時、高校時代の仲間と飲み会があって、参加してみたところ、真太郎がいた。BAKEの社長ですね。 ーー同級生だったんですか?! 中西:はい、1年間同じクラスでした。でも高校時代に2人だけでゆっくり話したことは無かったんじゃないかな。僕らの出身校は野球部が強かったんですが、野球部はいつも一緒にいて、あまりクラスにいなかったんですよ。僕は僕で放課後は部活ばかりやっていたので、ほとんど絡みはなかったです。 その飲み会でBAKEの話に興味を持って、後日、事務所に詳しい話を聞きに行きました。そこで、真太郎が「お菓子のスタートアップであるBAKEで、北海道をはじめとした第一次産業の活性化にも貢献していきたい」という話をしていたんですね。そこで一気に話が進み、BAKEへの転職を決意しました。 もちろん、最初から農業担当だと言われても全くの未経験ですが、初めは人事業務を担当するということになり、前職のキャリアを活かすことができると思いました。長期的にやりたい事があるし、今すぐ戦力にもなれるというのは、転職を決めた理由としても大きいですね。
ーー大手商社から、スタートアップのBAKEに転職されて、環境はどのように変わりましたか? 中西:1つめは、仕組みの部分ですね。商社は歴史のある組織だから、働くための仕組みは一通り整っていました。対して、入社時に創業2年目だったBAKEは、仕事を進めるにつれ「これがない!」「あれもない!」という状況。大変ですけど、仕組みをゼロから作ることには面白みを感じますね。 2つめは何といっても、第一次産業との関わりです。「農業に関わりたい」という私の思いは社長もしっかり受け止めていて、先日突然「しばらく北海道に行って、牧場で過ごしてきて!」と言われました(笑)。期限も決められていなかったのですが、人事の仕事に支障が出るので、まずは1週間。クロッカンシューザクザクに牛乳を提供してくださっている、ありがとう牧場さんにお邪魔しました。
ーー「ありがとう牧場」さんは完全放牧を行っている牧場ですよね。(記事参照)酪農家のお仕事は、いかがでしたか? 中西:とても辛い重労働なんじゃないかと、はじめは不安でした。でも行ってびっくりしました。私が訪問させて頂いたありがとう牧場さんでの生活は、都会で夜遅くまで仕事をしている私たちより、よっぽど健康的だったんです。
朝4時に起床して、牛を搾乳場へ連れていきます。6時半~7時頃にはその作業が終わって、朝ごはん。ご自宅で育てた新鮮な野菜や放牧された牛からとれた搾りたての牛乳は本当においしかったです。 そして10時頃まで休憩。その後は草を刈ったり、掃除などの作業があります。 そして終わり次第お昼ご飯を食べてまた休憩。 15時頃に二回目の搾乳があり、BAKE向けの牛乳の出荷作業が無いときは基本的にここで一日の業務が終了します。 18時に晩ごはんを食べて、21時すぎには就寝していました。 もちろん大変なお仕事なんですけど、想像していたよりもずっとよく眠れるし、1週間牧場で過ごすことで健康になりました(笑)。 ーー休憩が思った以上に多いですね…! 中西:放牧は牛が自生している草を食べてくれるので、人が穀物を与える牛舎での酪農に比べて、時間的余裕もあるみたいです。 搾乳が落ち着いているシーズンだったら、もっと休憩時間が増えるそうですよ。その間、スキーや自転車などのレジャーを全力で楽しまれているそうです。 ーー楽しそうですね!
中西:はい。でもありがとう牧場さんはすごく経営が上手くいっている成功例だと思います。そもそも放牧を行うには広い草地が必要なので、誰もがすぐに出来るというわけではありません。 ただ、放牧でつくられた牛乳は、草の香りがしてとってもおいしかったですし、飼料代も少なくて済みますからとても経済的です。且つ環境面においても優れているということで、私からすると良いこと尽くしでした。 そんな放牧牛乳をブランド化して付加価値をつけて販売することができれば、放牧農家の方にはより適切な所得が行き渡るようになり、もっと放牧が盛んになるのではないかと思います。 (※放牧に関するお話は、ありがとう牧場さんのインタビューでお伝えしています)
ーーその課題を受けて、今考えている目標を教えてください。 中西:まずは、健康に良いお菓子作りですね。放牧の牛乳は不飽和脂肪酸が多く含まれていて、エネルギーとして消化され易く、また、ベータカロテンなどの栄養価も高く、健康に良いそうです。その強みを生かしたお菓子を考えています。 たとえば、牧場研修の時に食べたモッツァレラチーズがとてもおいしかったので、もっとやわらかいクリーム状にしてアイスにしてみるとか。 まだまだアイデアレベルですが、将来的には「放牧牛乳」をしっかりブランド化していきたい。おいしい牛乳を直接届けられるような社会にしたいですね。 ーーありがとうございました! いつも真剣に仕事へ向き合う中西さん。 ずっとやりたかった農業のお仕事を目の前にして、とても生き生きと話してくださる姿が印象的でした。
仲間が日々増えているBAKEで中西さんは、みんながBAKEで安心して働けるように、給与支払いや社会保険・福利厚生などの管理をしてくれています。 人が入社するときに契約内容を調整したり、全国各地の店舗ではたらくアルバイトスタッフさんの勤務時間や、給与計算をしたり、新卒採用の内定式を行ったり……というのも、中西さんのお仕事。BAKEではたらくみんなが関わる部署です。 現在、中西さんと一緒にはたらく人事スタッフも募集中。仕組みを作ることが好きな方は、ぜひチェックしてみてくださいね。 ・BAKEのスイーツブランドを支える人事担当者を大募集!! BAKEの人事に興味がある!という方はこちらのボタンもご活用ください!
Text-by 樽見 祐佳
THE BAKE MAGAZINEでは週に2回、食や農業、デザイン、サイエンス、テクノロジーなどにまつわる記事を発信したり、BAKEの活動や働く人たちのストーリーをお伝えしています。 最新情報はこちらのアカウントでお届けします!https://t.co/LIxHbzNAS2
— 株式会社BAKE (@bake_jp) 2016年6月2日