暮らしに彩りをもたらすお菓子とお茶の時間。「煎茶堂東京」に聞く、日本茶の楽しみ方【後編】

2021.09.17

9/1(水)〜9/30(木)まで期間限定で販売中の「バターサンド〈宇治抹茶〉 煎茶堂東京 煎茶缶セット」と10/1(金) 新発売の「バターサンド〈栗〉 煎茶堂東京 棒ほうじ茶缶セット」。
今回のコラボレーションをきっかけに、より多くの方にお茶とお菓子の時間の楽しみ方をお伝えできればと思い、BAKE INC.公式アンバサダー「箱菓子倶楽部」の部員2名に煎茶の淹れ方やバターサンドとのペアリングを体験していただきました。

前編ではペアリングを体験した『東京茶寮』のことや、一煎目と二煎目のお茶の違いについてお伝えしました。後編では異なる種類のお茶のこと、お茶の時間の過ごし方、そして『煎茶堂東京』のこれからについてお届けします。

▶︎ 前編の記事はこちらより

熱々をゆっくり、じっくり味わう「棒ほうじ茶」

谷本さん:三煎目は「棒ほうじ茶」を提供いたします。今回は温度が高いので、バリスタが淹れてお出しします。

こちらのほうじ茶が一般的なほうじ茶と何が違うのかというと、今回使用しているのがお茶の棒(茎)の部分で、遠赤外線で焙煎し、じっくり弱火で火を通すことによって華やかな香りになるんです。


▲ほうじ茶とバターサンド〈栗〉のペアリング

ma_ru_coさん:ほうじ茶とバターサンド〈栗〉がお互いの味わいを引き立て合っていますし、交互に楽しむことによってそれぞれの濃厚さをダイレクトに感じることができました。
それに、ほうじ茶が熱いので湯気や香りをじっくり楽しめる“ぐいっと飲めないからこその良さ”があるなと思いました。

谷本さん:それは良かったです!沸騰したお湯を注いだ時に立ち上がる香りが、ほうじ茶の一番の醍醐味だと思ってますし、今回小さい試飲カップでお出ししたのも、少量で飲めるからなんです。
普段の生活だとほうじ茶を少しだけ飲むこともあまりないと思いますが、少量で飲む方が味わいや香りをよく感じることができるんですよ。

ほうじ茶の淹れ方 (一人分)

茶葉の量:3g
湯の温度:沸騰した熱々のお湯で抽出
抽出時間:30秒

✔︎ 少量でじっくり楽しむのがおすすめ

ジャスミンの花のような香りに包まれる、最後の一杯「藤枝かおり」

最後は浅蒸しのお茶ですっきりとしめたいと思います。

こちらは静岡の藤枝という地域のお茶「藤枝かおり」で、藤枝は東海道五十三次にでてくるようなお茶の産地です。特徴としては“山のお茶”で、山の斜面・山間部だからこそ育まれる香りがあります。

最後のペアリングはバターサンド〈黑〉ですが、「お茶とチョコレート」はとても相性が良いんです。世界的に有名なショコラティエも「チョコレートのペアリングでもっとも相性が良いのは緑茶だ」ともおっしゃっていますね。

cranberryberryberryさん:すごくフルーティーで飲みやすいです。

谷本さん:ジャスミンの花のような華やかな香りがすると思うんですが、「藤枝かおり」は萎凋(いちょう)と呼ばれる葉っぱを萎れさせて作るお茶です。緑茶、烏龍茶、紅茶という定義があるとすると、緑茶は「不発酵茶」と呼ばれるもので紅茶が「発酵茶」、烏龍茶が真ん中の「半発酵茶」と呼ばれるのですが、少し「半発酵茶」に寄った微発酵されたお茶です。
カカオも発酵工程を経て花のような香りを出す食品なので、お茶とチョコレートそれぞれのジャスミンの花のような香りの部分をペアリングさせました。

cranberryberryberryさん:バターサンド〈黑〉と合わせるとお茶の香りが変わりますね…!

谷本さん:チョコレートにも色んな香りが入っていると思いますが、香りは組み合わせ次第なんですよね。相性の良いペアリングだと相乗効果で香りが広がっていきます。

ma_ru_coさん:今回のレクチャーでは前菜からデザートまでのコースを楽しんだような気持ちになりました。お茶の味が少しずつ濃くなってきて、ひとつひとつのペアリングも「こんな食べ方があるのか!」と感動しました。

谷本さん:それはうれしいです。『東京茶寮』では海外のお客さんも多く、普段もコース仕立てで約1時間くらいかけて提供しているのですが、お茶とお茶菓子しか出てこないミニマルな世界観の中で時間の使い方を学んだり、煎茶をいただく流れに起承転結があることが面白いと言っていただいています。

谷本さんに聞く、自宅での煎茶の楽しみ方

ペアリング体験が終了したところで、自宅で煎茶を楽しむためのポイントを谷本さんに聞いてみました。

今回はPRESS BUTTER SANDとのペアリングでしたが、食べたいスイーツ、日常の朝昼夕のごはんなど自分が「煎茶を合わせたい」という食べものがあった場合、どのように逆算してお茶を選んだら良いですか?


谷本さん:難しい質問ですね(笑)。正解はないと思いますが、何を合わせるかということを基準とした場合、1つめは甘いもの×苦いもの、または渋いものといったように「逆のものを合わせる」パターン、2つめは先ほどの緑茶×チョコレートのように「香りで相乗効果のあるもの、近しい香りのものを合わせる」パターン、そして同じ地域で作られたもの同士などで「地域でペアリングする」パターンの3つのどれかを意識してみるといいかなと思います。

レクチャーの中にもヒントがあったのですね!飲みものや食べものはもちろん、伝統文化やうつわなど、お茶の産地ごとにペアリングを試してみるのも面白そうです。
また、『煎茶堂東京』では割れない「透明急須」や「一煎目カップ」、「着替える有田焼」など、現代の生活スタイルに馴染むオリジナルのうつわも製作・販売されていますが、ご自宅に急須や茶器を持っている方も多くはないと思います。おすすめの茶器の選び方のコツはありますか?

谷本さん:気分が上がるものを選ぶのが一番ですね。気分が乗らないとコーヒーであってもお茶であっても飲まないかなと思っています。楽しい気分になれるうつわを使えば自然と食器を洗う際などの扱い方も変わりますし、自分の生活様式に合い、愛着を持って長く使っていけるものであれば何でも良いと思います。

確かに自分のお気に入り茶器やうつわを使うだけで、日々の食事やお茶の時間が特別なものになりますよね。
最後の質問となりますが、これから煎茶とお菓子を通して『煎茶堂東京』ではどのようなことに挑戦していこうと考えていますか?


谷本さん:これまでもさまざまなペアリングに挑戦してきましたが、今は“トリプルペアリング”として「お茶とお菓子とうつわ」のコーディネートや楽しみ方をもっと提案していきたいと思っています。今後はお店で作家さんがつくったうつわも取り扱っていこうと考えていますし、うつわや作家さんのストーリーも含めてペアリングをしていくのが次のチャレンジです!

お店のHPやSNSでもうつわについてのコンテンツもいくつかありましたので、もしかすると今後注力されていくのかなと思っていました。次に『東京茶寮』を訪れる時には今日とはまた違った空間になっていたり、新しいうつわが使用されているかもしれないですね。次回訪れるのも今から楽しみです!

谷本さん:日本全国の職人さんの集合体として表現して行きたくて、さまざまな地域のお茶やお菓子、うつわなどがお店に集まれば最強の楽しみ方ができると考えています。

このご時世で旅行になかなか行きにくい状況ですが、『煎茶堂東京』で旅行気分を味わうことができそうですね。

谷本さん:『東京茶寮』や『煎茶堂東京』に限らずお店はあくまで実験場だと思っていて、もっというと皆さんのご自宅も実験場でありステージでもあるから、そこに「何を届けていくか」が私たちのやることだと思っています。

煎茶とさまざまなものをペアリングさせながら、日本茶の魅力を発信し続ける『煎茶堂東京』。
今日の取材をきっかけに、これからの日々のお茶の時間が今まで以上に愛しく、彩りのあるものになりそうです。

ペアリング1:「やぶきた」と「さえみどり」のブレンド茶×バターサンド〈宇治抹茶〉

ペアリング2:棒ほうじ茶のブレンド茶×バターサンド〈栗〉

ペアリング3:「藤枝かおり」×バターサンド〈黑〉


SPECIAL THANKS

煎茶堂東京
東京茶寮
・箱菓子倶楽部 第1期部員 ma_ru_coさんcranberryberryberryさん

写真:大島彩
執筆:屋宜美奈子

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