フラッグシップ店として、クロッカンシューザクザクを世界に向けて伝えていくことを視覚的に訴える店舗が必要と考えました。そこで、カオティックな通りの中で、素材と製法に裏打ちされたザクザクのテイストを瞬時に伝えることをテーマとしました。

私は空間を考える際、造形より先に光を考えます。人の目を通しての情報の優先順位は光でコントロールできるからです。ザクザクの美味しさと質感を引き出す為に、商品への色味や光の当たる角度を検証し力強く美味しそうに感じる光を選択しました。

焼き上がりを待つお客さんへの光は有機ELによるものです。永遠に広がるミルキーウェイのような柔らかい光の調和で空間を構成し、ここからザクザクが世界に広がっていくことをメタファーとしました。その脇に大型のピアノブラックのカウンターや厚めの白い大理石を添え、物の質感による説得力のある空間です。

選び抜かれた良質のものはそこにあるだけで多くのことを語ってくれます。並んで待っている間も 心地さを感じてもらい、5年、10年と時間が経つにつれザクザクのオリジナリティーと存在感が増すことでしょう。 / 井上隆夫